熱を帯びていたリオ五輪が終わり、待ってましたと言わんばかりに
2020年東京五輪の組市松紋(くみいちまつもん)のエンブレムを目にする機会がグンと増えたように感じます。
チェッカーフラッグでもお馴染みのチェッカーデザインは世界中で愛されてきたようなのですが、
日本では江戸時代に市松模様という名で広まり、以降愛され続けています。
その市松模様を使い、日本の伝統色である藍色で染め、
とても素敵なメッセージが込められたエンブレム。
私はとても気に入っています。
皆さんは「藍」と聞くと藍染めのイメージが一番に浮かぶ方が多いかと思うのですが、
実はこの「藍」、食べることが出来るのですが、ご存知でしょうか?
今回はエンブレムでも市松模様でも藍染めのお話でもなく、
食目線で「藍」のお話をさせていただきたいと思います。
日本で古くから親しみ愛されてきた「藍」を使った染め物は、
今のようにカラフルな色を作り出すことができなかった時代に人々にとって、
それはそれは、心躍る色だったことでしょう。
「藍」は世界各地で生産され染料として使われていたようなのですが、
日本の「藍」は独得の鮮やかさを持っていたためジャパンブルーと呼ばれ、
日本人だけではなく世界中の人々までもが
鮮やかな日本の「藍色」に魅了されてきました。
また、色だけでなく藍染めを施すことで生地に抗菌作用が生まれ、
その抗菌作用の高さも人気の理由のひとつです。
このように染め物のイメージが強い「藍」ですが、
古の日本では染め物に使う染料としてだけではなく薬草としても珍重されていました。
どちらかと言えば、薬草としての歴史の方が古く、
書物などにも数多くの記述が残されており、
解毒作用や解熱作用、炎症を抑える作用などがあったようです。
時代を経て「藍」の研究が進み、
私たちの体に起きる様々な疾患や老化の原因になると言われている
活性酸をを消去する成分のポリフェノールをホウレンソウの約10倍、
ケールの約4倍も含んでいることが分かっているそうです。
他にも抗がん作用や免疫を調整する成分まで詰まっているようです。
古の人々が、「藍」の効果をどのようにして知ったのか今の私にし知る由もありませんが、
戦争の時代を越えても尚、私たちが日本の「藍」に触れられているのは
「藍」を守り続けてくださった方々がいらっしゃったからこそです。
そして、今、この「藍」が持っている力を染め物の世界だけではなく、
食の世界にも取り入れる動きがあるようです。
既に「藍」のお茶、ハーブティー、ビスコッティー、
キャンディ、ドライハーブのように乾燥させたものが『藍食人』さんから商品化されています。
※気になられた方は関連リンクからどうぞ。
有り難いことに今の私たちは再び、
「藍」の本来の魅力を余すことなく受け取ることができる時代に居るようです。
2020年東京五輪の組市松紋(くみいちまつもん)のエンブレムにも使われている藍色。
4年後には藍を使った食べ物がもっと増えているかもしれません。
ひと足お先に、ジャパニーズブルーを味わってみてはいかがでしょうか?
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