お昼を食べ損ね、お腹と背中が今にもくっつきそうなほどの空腹に襲われていた。
遅い時間でもランチをいただけるお店を探し、数件目でようやくテーブル席に着くことができた。
運ばれてきたのは、お野菜をたっぷりと乗せてあるパスタだ。
その中に、久しぶりに目にしたお野菜があり、「これ久しぶりです」と言うと、
以前は「ブロッコリーニ」と呼ばれていたけれど、今は「スティックセニョール」と呼ばれていると教えてくださった。
スティックセニョール(旧ブロッコリー二)は、スティック状に品種改良されたブロッコリーだ。
通常の茎よりも細く太めのアスパラガスの上部に、小ぶりのブロッコリーの頭が付いているような、
菜の花の茎をもう少し太くし、その上部に小ぶりのブロッコリーの頭を付けたような、
そのような出で立ちのお野菜。
手軽に美味しく茎まで食べることができ、
お味は、ブロッコリーにアスパラガスの甘味が加わったようなもの。
そして、このスティックセニョール(旧ブロッコリー二)は、日本生まれのお野菜だ。
中国料理の炒め物などに使われることがある芥藍(かいらん)という青菜があるけれど、
この芥藍(かいらん)の食べやすさや育てやすさと、
ブロッコリーの良さを掛け合わせて生まれている。
当時、私が手に取っていたものは、ブロッコリー二と印字された袋に詰められて並んでいたのだけれど、
いつの間にか見かける機会も、口にする機会減ってしまっており、この日、久しぶりの再会となった。
お店の方の話によると、発売されたばかりのスティックセニョール(旧ブロッコリー二)は、
日本では人気が出ず、次第に海外向けの野菜として輸出されるようになったのだそう。
その時に、心機一転の意味もあったのかもしれない。
ブロッコリー二改め、スティックセニョールと日本生まれらしからぬ名で海を渡っていた。
すると改名が功を奏したのか、本領を発揮することができたのか、
外国で人気者になったスティックセニョールは、外国から逆輸入されるという形で再び、
家庭や飲食店で扱われるようになっているという。
補足として簡単にスティックセニョール(旧ブロッコリー二)の栄養面をお伝えしておくと、
特筆すべきは、ブロッコリースプラウトにも多く含まれている「スルフォラファン」が多いことではないだろうか。
スルフォラファンのことは、過去にもお話させていただいているのだけれど、
私たちの細胞を錆びさせてしまう活性酸素を取り除くことに長けている。
更に、一度口にすれば、その作用が3日間も体内で持続する、嬉しい性質があるのだ。
そして、このスルフォラファンという成分の得意分野は、
動脈硬化やガンを予防し、ピロリ菌を殺菌すること、などと言われている。
他にも各種ビタミン、ミネラルに加えて食物繊維も多いため、
大人の美容と健康を底上げするにはもってこいのお野菜だ。
デビュー当時を知っている私としては、しばらく見ない間に、随分と垢抜けちゃって。
と思ってしまうスティックセニョール(旧ブロッコリー二)、
お味見がまだという方は、この機会に召し上がってみてはいかがでしょうか。
※スルフォラファンのおさらいをしておきたい方は下記の記事をどうぞ。
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