幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

隈取(くまどり)ってなあに?隈取の色で何が分かるの?

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私は夏が苦手で秋の訪れを楽しみにしていたのです。

しかし、日常の中を占める秋の気配が増す度に

ほんの少しだけ今年の夏を名残惜しいと思う現金な私もいるのです。

今年の夏、やり残したことはないだろうか。

秋に片足を突っ込んだ状態で慌てて自分の夏を振り返る。

夏らしいことはそれ程してはいないけれど、

自分が、その日、その日に過ごしたいと思う夏の時間を過ごせたのだから

今年の夏も自分にとって良い夏だったのではないだろうかという結論に達した。

よし、これで思い残すことなく秋を満喫できる。

そのような事を思いながら秋になったらしたいことを手帳の真っ新なページに書き出してみる。

そこにな、夏よりも少しばかりアクティブな内容が並んでいました。

その中のひとつに「歌舞伎」の文字があった。

ここ何年もご無沙汰になっている歌舞伎鑑賞。

そろそろ足を運びたい気分になってきたようです。

 

私が初めて歌舞伎デビューを果たしたのは20代前半の頃。

正直に言えば、歌舞伎そのものに興味があったわけではなく、

経験したことのない歌舞伎の世界がどのような物なのか、

ただただ、覗いてみたかったのです。

そのような動機だったので、初心者でも楽しめるのは勧進帳(かんじんちょう)だ、

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)と言われたところで

ちんぷんかんぷんで前知識もゼロの状態。

 

しかし、偶然にも、ある年上の素敵な女性がさらり歌舞伎の話題を口にしたのです。

歌舞伎は男性の役者さんだけだと思われているけれど、

初めは女性の役者による女歌舞伎が発祥だということ。

上演時間は4時間程と長丁場だけれども、

海外のミュージカル鑑賞などと同じで少し長めの休憩時間があるということ。

その時間は、お弁当を食べたり、お茶をしたり、

お土産を購入したりする休憩時間があり、

ゆったりとした気分で楽しむものなのだということ、など細かく教えてくださったのです。

内心、4時間は長すぎるな……と思っていると

短い時間だけを楽しむことができる「幕見席」というものでお試しできるということや、

美術館などにあるようなイヤホンガイドがあることなども付け加えてくださった。

 

幕見席で歌舞伎を体験してみることは心に決めたものの、

やはり話が分からなければ楽しめないのではないかと思い、

興味と敷居の高さの狭間で揺れていた私の背中を押したのは隈取(くまどり)の話だった。

「隈取(くまどり)」とは、歌舞伎役者が施している血管や筋肉を誇張した舞台メイクのこと。

 

歌舞伎の中の登場人物は、

パッと見ただけで良い人か悪い人なのか見分けることができるように、

とても分かりやすい表情のメイクをしていると言われています。

とは言え、初心者だった私には、そこまでくっきりと判別できない表情もありました。

それを分かりやすくしてくれたものが、

典型的な役柄が割り振られている隈取の色です。

 

実際に歌舞伎を観に行かずとも、隈取の違いを知っていると

テレビで歌舞伎役者のニュースを目にした際に、

正義漢の役なのね、悪人の役なのね、と映像だけで判断できます。

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また、最近では歌舞伎メイクがプリントされた遊び心のあるフェイスパックなども売られていますよね。

今夜は妖怪気分でパックしていようかしら、

プレゼントするパックは悪役顔を選んでみようかしら、

という遊び心を発動させることもできます。

歌舞伎役者のお顔を見る機会がありましたら、

これからご紹介する3つの隈取をチラリ思い出して

正義の人なのか?悪人なのか?はたまた妖怪なのか?

ちょっぴり覗いて楽しんでみてくださいませ。

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【赤い隈取】

赤は正義、若さ、勇気、強さを表す隈取で、

基本的に赤い隈取の役は「正義漢」です。

赤い隈取の筋が多いほど、

その役柄の人物の感情が溢れ出している様子を表しています。

 

 【青い隈取】

青は悪、敵役に使われる色。

ただ、そんじょそこらの悪役ではなく、国の乗っ取りを狙っているような悪役です。

 

【茶の隈取】

茶は妖怪や鬼などの人間以外の登場人物に使われる色。

様々なデザインがありますが茶色ベースの隈取を目にされましたら

妖怪や鬼の役だと思ってくださいませ。

 

隈取には様々なバリエーションがあるのですが、

当時、この3つの隈取を覚えておけば、自然と話が入ってくると言われ、

生の隈取を観に、私は歌舞伎デビューを果たしたのです。

今でも初心者レベルではあるのですが、

テレビで歌舞伎役者さんの姿を目にすると、隈取で役柄をチェックしています。

今年の秋は久しぶりにライブで歌舞伎の世界を覗いてみたい気分になっております。

今年の秋も様々な楽しみを見つけて楽しんでまいりましょうね。

 

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