ここ数年の私は、どうも秋を掴み損ねているような気がしておりました。
少し涼しくなってきたかしら?
そろそろ秋を本格的に満喫しようかしら。
と感じた途端に気温はグッと冷え込み、
気づけば冬に片足を突っ込んでいるような状態。
まるで、チャンスの神様の前髪を掴み損ねている気分でした。
これは余談なのですが、ギリシャ神話の中には様々な神様が登場します。
その中にカイロスというチャンスを司っている神様がいるのです。
このカイロスは目にも止まらぬ速さで移動することに長けており、
容姿は、美しい翼をもった美少年だと言われております。
そして、彼を語る上で忘れてはいけないのは、
前髪しかない個性的なヘアースタイルがチャームポイントになっているという事。
ヨーロッパには、
「目の前に現れたチャンスは、すぐに掴まなくては後から掴むことはできない」という意味の
「チャンスの神様には前髪しかない」ということわざがありますが、
このことわざの主人公になっているのが、このカイロスです。
うかうかしていると秋もカイロスのように過ぎ去ってしまいそうなので
今年の私は秋を前のめり気味で楽しんでおります。
ある日、道を歩いていると何処からともなく
「アルプスの少女ハイジ」のテーマソングが流れてきました。
クララが立ち上がるシーンも有名で印象的ですが、
私は、ハイジがおじいさんと一緒に口にする食べ物にとても魅力を感じていました。
中でもおじいさんがチーズを火で炙ってとろけさせ、
そのとろけたチーズを黒パンに乗せて食べるシーンはたまりません。
あの時、ハイジたちが食べていたチーズはラクレットというチーズ。
スイス料理のチーズフォンデュと同じくらい食べられている
ラクレットというお料理に使われているチーズもラクレットという名です。
語源は、フランス語の「ラクレ」で、
意味は「削る」、「そぎ落とす」、です。
このラクレットチーズはスイスやフランスで作られており、
ナッツのような香りと甘みがあり、
優しいコクが感じられる、クセの少ないまろやかな味のチーズです。
最近では北海道で作られた国内産ラクレットなども見かけますので、
興味がある方は一度お試しされてみてはいかがでしょうか。
ピザに使われているチーズがお好きな方であれば、
美味しく召し上がることができるかと思います。
ラクレットというメニューの食べ方は、
溶けたチーズをパン、焼いたじゃがいもやピクルス、ハムなどにかけ、
アツアツを食べるというとてもシンプルなもので、
スイスだけではなくフランスでもよく食べられるメニューです。
私はパン、じゃがいも、ハムやソーセージだけではなく、
チーズフォンデュの時と同じように
茹でたアスパラやブロッコリーなどの他のお野菜も準備し、
チーズにブラックペッパーを少量挽いたりしております。
ただ、これがフランスの方々には本場流に反するようで、
邪道だ、野菜はじゃがいもだけで十分だ、と指摘されるのですけれども。
食べる人が美味しいと感じられることが一番なので我が家のラクレットは、この邪道スタイルです。
ちょうど気温が下がり始めたこの時期がラクレットの季節です。
ラクレット専用のプレートがなくてもホットプレートでも簡単に楽しめますので、
秋の休日に楽しむプチイベントとしていかがでしょうか?
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