さて、先日、ここに足を運んで下さっているお二方から
血糖値に関するメッセージをいただきましたことがきっかけでスタートした全4回の連載。
さて、『血糖値が高くなっていると言われたら、どうしたらいいのかしら。(中編1)』に続きまして、
中編2でございます。
前編と中編から血糖値がどういう値のことを表していて、
私たちの体の仕組みにどう関わっているのか。
自分や大切な人の体の現状がどのような状態で、
これから血糖値を健やかな状態を目指したりキープしたりする上で大切なことは何か。
この辺りは掴んでいただけましたでしょうか。
今回は実際に日常生活の中でできることの中から食事に関する視点で
お話させていただきたいと思います。
本題に入る前の前置きは、前編、中編にて
少々しつこいくらいお伝えしましたので、こちらでは省略致します。
こちらの記事が初めてという方は、お手数ですが前編、中編の前置きをご確認下さいませ。
また、内容も前編と中編を順に読んでいただけていることを前提にお話させていただきます。
私たちが毎日欠かさず行っている「食べる」という行為。
毎日行っているからこそ、各々が自分の趣味嗜好が反映された癖や習慣を持っています。
そこに、体質やその他の体内環境も大なり小なり関係しています。
血糖値高めをキープしてしまっている場合、
運動不足も要因のひとつではありますが、食事の癖や習慣も塵も積もれば何とやら。
ジワリジワリと体に影響を与えております。
小さなダメージを日々重ねるのではなく、小さくても健やかさのもとを重ねていきましょうね。
|まずは食事の摂り方をチェックしましょう。
ライフスタイルも影響を受けているかと思いますが、
皆さんは、しっかりと噛んでお食事されていますか?
そんなこと?と思われるかもしれませんが、これだけでも違うのです。
食事をすると血糖値が上がりますがよく噛まずに早食いをしますと、
食べ物が急激に体内に吸収され血糖値も急激に上がります。
血糖値が急に上昇しますとインスリンもどんどん分泌しなくてはいけなくなります。
これは、インスリンを作っている内臓にも負担をかけることになります。
この負担をかけ続けてしまいますと、インスリンの分泌力が次第に落ちてきます。
そうすると、ただでさえそう多くはない高血糖を抑える役目をしてくれるインスリンの量が更に不足します。
結果、食事中に血糖値が高くなるだけでなく、
高い状態をキープし続けてしまう悪循環が始まります。
糖質に気を付けているのに効果がないという場合、
インスリンの量が不足していることも考えられます。
まずは、どの食材を摂ればいいのだろう?と探す前に、
体の機能が余裕をもって働いてくれるように、
よく噛んで食べ、ゆっくりと血糖値を上昇させるように意識しましょうね。
お水の次は、ここがポイントです。
前編で、血糖値はブドウ糖を作り出す炭水化物や糖分を摂取すれば上がる、
という仕組みをお話しましたが、炭水化物や糖分を摂取しただけでは血糖値は上がりません。
血糖値を上げるには、食べた物が胃で消化されて腸へ移動します。
その過程で消化酵素という酵素を使って、
細胞や体のガソリンと言われているブドウ糖を作っています。
これをインスリンが細胞に摂り込んだり、貯蓄したりと仕分け作業をしてくれています。
前編ではインスリンが対応しきれない量のブドウ糖が血糖値に表れるという仕組みをお話させていただきましたが、
ブドウ糖にするためには消化酵素という酵素が必要です。
だけれども、この酵素は体内で作られる量が限られているため、
食事から摂取しなくてはいけません。
血糖値を健やかな状態に保つためには、
この辺りも考慮して食材を選ぶと更にスムースに体質改善していくことができます。
(考慮した上での食材は、改めてご紹介いたします。)
|食べる順番はどうかしら?
皆さんは、目の前に並んだメニューをどのような順番で食べていますか?
この順番を少し意識することも血糖値を健やかにするポイントです。
例えば、焼肉定食を食べるとしましょうか。
テンションがあがって初めにお肉と白米に手を出してしまうと、
これらの炭水化物(糖)が勢いよく体に吸収されていきます。
それこそ、砂漠に落とした一滴のお水のように、染み入り深く深く吸収されます。
ということは、血糖値もグーンと上がっているということです。
しかし、同じシチュエーションでも生野菜のサラダや、オイキムチ(きゅうりのキムチです)などから食べたとしましょう。
生野菜に含まれる食物繊維が炭水化物、糖の吸収を抑えてくれます。
そうすると、余分なブドウ糖が増えませんので、
血糖値を下げる方へのチカラになってくれるのです。
これだけではなく、酵素の過去記事を覚えて下さっている方はピンッときたのではないでしょうか。
血糖値のための食べる順番としてご紹介していますが、
私たちの体にとって大切な酵素も生野菜から同時に摂取できるのです。
たったこれだけのことが、一石二鳥を引き寄せます。
ご自宅でのお食事の際には生野菜や海藻類たっぷりのサラダを用意し、
「いただきます」の後はサラダから。という習慣をつけることで、
その後に口にする炭水化物や糖の吸収を抑えることができます。
外食の時にも可能であれば、できるだけ生野菜を先に口にしてみてくださいませ。
外食が多い方はやはり、ご自宅での食事がポイントになってきますので
奥様方はサラダの量を少し増やされても良いかと思います。
お野菜嫌いの旦那さまであっても、そこは心を鬼にして!
男性陣も、これは女性陣の愛情です、笑顔で受け取りましょうね。
|何気なく使い続けている調味料もチェックしておきましょう。
ご自宅でお料理をするときに出番の多い「油」。
幸せのレシピ集でも「油」のお話をさせていただく機会が多いのですが
血糖値を下げるという視点で油を見た時に心強いのはオリーブオイルです。
前編で血管年齢や血管に与えるダメージ、
中性脂肪などについても触れたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。
オリーブオイルは血管をしなやかに、丈夫にしてくれるようで、
血管年齢を若返らせることにひと役かってくれます。
血糖値が高くドロドロ血液になっている方は、
血管内に在る余分なブドウ糖が血管にダメージを与えながら移動していますので
血糖値を健やかに保ちつつ、血管そのものも健康にしておきたいものです。
血管ダメージが何を引き起こすかは既にお話させていただいた通りです。
また、オリーブオイルは健やかな血管にするだけではなく、
血液中にある中性脂肪やコレステロールなどの脂質レベルを改善する手助けにもなると言われております。
このような理由から、普段使われている油をオリーブオイルに変えてみるのも
血糖値を健やかにするポイントのひとつかと思います。
ただ、オリーブオイルの香りが苦手だという方も時々いらっしゃいますね。
色々と試してみると香りの少ないオリーブオイルもありますので
お試しする価値はあるのではないでしょうか。
私は、ほぼメインとして使っている油はオリーブオイルです。
和食、洋食、中華、その他を問わず使っているのですが、
お医者様に血管はいつも褒めていただいております。
|炭水化物はどう対処したらいいのかしら?
血糖値が高い方のお食事の好みを観察してみると、
やはり炭水化物がお好きな方が多いような気がいたします。
特に、ご飯や麺類がお好きなようですが、美味しいですもの!わかります。
美味しけれど、血糖値を上げる要因のひとつとなっている炭水化物の攻略は欠かせません。
血糖値が高い方にとって一番手っ取り早いのは、やはり腹八分目。
炭水化物を思いっきり食べてしまいますと、血糖値が急激に上がってしまうのです。
これまでにお話させていただいたように、
朝一番のお水に始まり、食べ方や、食べる順番などを意識しつつ次は腹八分目です。
腹八分目なんて中途半端に食べるくらいなら夜の白米は抜いてしまおう、というのはダメですよ。
炭水化物を極端に抑えてしまうと、
食事を全体的に見た時に脂質を過剰摂取しているようなバランスになってしまいがちなのです。
食べている全体量や摂取カロリーは抑えられているのに、
全部食べた時よりも脂質を過剰摂取している状況だなんて、
ちょっと損した気分になりませんか?
「損した気分」というのは私の個人的な主観ではありますが……。
この状況は、新しい不調の原因になりますので、
ご飯や麺類を完全に抜いてしまうのではなく少なめに召し上がってください。
ただ、ご飯であれば、食べながら血糖値を抑えることもできます。
ここで力を発揮してくれるのは玄米です。
玄米も幸せのレシピ集では時々登場しますが、
血糖値を健やかに保つことにも力を発揮してくれる心強い味方です。
さすがに白米を完全に玄米に変えるのはストレスに感じるかと思いますので、
白米に玄米をお好みで混ぜ込みます。
我が家は、血糖値が上がりそうな食生活になりそうな時期、
血糖値が上がるような食事が続いた時、
ちょっと体に良いことをしておこうかなという気分の時は、
この「白米+玄米のブレンドスタイル」です。
扱いやすい個包装タイプや無洗米タイプなど扱いやすい玄米が増えていますし、
お味も風味豊かで食べやすいものが増えました。
ご自宅でのご飯は玄米ブレンドで外食とのバランスをとってみてはいかがでしょうか。
1日だけみれば、たったそれだけの量で?という量ですが、
体は、あなたが体の為にしてくれたことを忘れません。
継続できることは取り入れてみて下さいませ。
中編2では、食事に関する視点の中から
多くの方に共通している基本となる部分の対処法をお話させていただきました。
食生活の癖や習慣というものは、自分や家族に馴染みきってしまっていることです。
この部分にちょっとした手を加えるということは、
新しさが感じられず実践してみようという衝動が起きにくいことでもあるように思います。
人は初めてのものや、特効薬のようなもの、話題性を期待してしまうものですしね。
ただ、本当に体に良い影響を与えてくれるもの、こと、というのは、地味であったりもします。
その代わり、改善された時には、
ちょっとくらいの暴飲暴食は大目にみてくれるくらい強いカラダが細胞レベルで出来上がっていたりします。
ちょっとくらいの無茶だって楽しめるカラダを作るキッカケにしていただけましたら幸いです。
さて、何だかシリーズが完結したようなシメになっておりますが、
今回も長くなってまいりましたので、
次回の後編にて積極的に取り入れたい食材、食材選び方のコツに関するお話をさせていただきたいと思います。
何だか、皆で血糖値ツウになりそうな予感ですが、これも楽しんでまいりましょうね。
いつもお付き合いくださっている皆さん、ありがとうございます。
ありったけの感謝を込めまして……♡
※血糖値とひと口に申しましても視点や対策も様々です。何か不安なことがありましたら専門医にご相談くださいね。また、既に専門医にご相談されている方は専門医の指示にしっかりとしたがって下さいませ。
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