日本でも握手を交わすことへの抵抗は減りつつあるように感じますが、
日本人は握手下手だということをご存知でしょうか。
どうして日本人が握手下手なのかと言いますと、日本はお辞儀文化で握手の習慣がありませんので、
注意すべきポイントや動作の意味を知らぬまま、見様見真似で握手を交わしている方が多いのです。
一方、日本以外の国々では握手は文化のひとつですので、握手にはお作法があります。
2020年には東京オリンピックも開催されることですし、この機会に、握手のお作法を覗いてみませんか?
日本は島国のため方言の違いはあれど、言葉が全く通じないという環境ではありませんでした。
一方、外国は大陸続きですので、古より言葉が通じない異国の人々とも交流する機会が度々ありました。
ですから、顔を合わせた言葉の通じない相手から身を護るためにも、
「私はあなたの敵ではありません、喧嘩をするつもりはありません」という意思表示をする必要がありました。
その方法として利き手を差し出していたようです。
ですが、警戒心はそう簡単に解けるものではありませんので、
「もしも」の状況に備えて目を見て堂々と握手をするというスタイルが定着しました。
ただ、国家の要人、高貴な方と握手をする場合には、
「あなたに従います、あなたに抵抗する意識はありません」
という意思表示のひとつとして目を合わさずに握手していたようです。
このことを理解した上で日本人が握手をしようとした際、
日本人らしいクセがでてしまうのですが、どのようなクセだと思いますか?
日本人にはお辞儀の習慣があるため、無意識にお辞儀をしながら握手をしてしまうことがあるようなのです。
握手をしながらお辞儀をしたのでは目を逸らしているように受け取られ、
「あなたに従います、あなたに抵抗する意識はありません」
と言っているような態度に見え、とても卑屈に見えるのだそう。
今は古の頃とは違い、アイコンタクトをすることで互いの意思確認をする意味もあり、
目を見て堂々とした態度で握手をすることがお作法です。
【握手のお作法ポイント1】
ここまでをまとめますと、握手はお辞儀無しで相手の目を見て堂々とした態度で行う。と言うのが握手のお作法ポイント1です。
さて、次は握手の細かいところを見ていきましょう。
握手は必ず目上の人から下の方へ手を差し出すことがお作法です。
身体お一部に触れる訳ですから、下の者から求めては失礼なのです。
ただ、目上、年上、目下、年下を問わない特例があります。
それは、男性と女性との間で行われる握手の場合です。
特に初対面の場合は必ず女性の方から手を差し出すのがお作法です。
女性からと言われてしまいますと女性は少々戸惑ってしまいますが、
男性は女性から握手を求められたらお断りしないというのがお作法ですので
必要であれば、女性も堂々と手を差し出してくださいませ。
【握手のお作法ポイント2】
ここまでをまとめますと、握手は目上、年上の方から手を差し出す。男性と女性との間で行われる握手は女性の方から手を差し出す。と言うのが握手のお作法ポイント2です。
最後に、実際に握手をするときですが、どうも日本人の握手は力が弱いようなのです。
力の弱い握手は、好意的ではない、頼りない、優柔不断、やる気がない、などマイナスの印象を与えるようです。
男性同士の握手であれば思いっきり握るくらいでちょうど良いでしょう。
もちろん女性との握手では力を弱めることが大切ですが、
マイナスの印象を与えないように力強さは残しつつ、優しく握手しましょう。
女性も最初にギュッと力を込めると好印象です。
【握手のお作法ポイント3】
ここまでをまとめますと、握手はしっかりと力を込めて交わしましょう。と言うのが握手のお作法ポイント3です。
私は何度も指摘されたことがあり、
その度に、どれくらいの力で握ればいいのか試させていただいたことがあります。
自分で思っている以上にギュッとしても、まだ弱いと返されておりました。
その時から、外国の方との握手は痛かったらどうしようという不安は取り払っております。
もし、相手が痛そうな顔をしたのなら、仲良くなりたい気持ち、ありがとうの気持ちなど、
その時に伝えたい気持ちが大きすぎてしまったのだと伝えればノープロブレムです。
日本人同士の握手には奥ゆかしさを、
外国の方とのコミュニケーションで交わす握手には強い意思を添えてみてくださいませ。
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