幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

三つ指はカジュアルバージョンでございます。

f:id:hiiragi1111:20200106141500j:plain

日常が随分と戻ってきたように思うけれど、それでも時折、新年のご挨拶を交わし合うご婦人方を見かける度に、新しい1年は始まったばかりだと初心にかえるこの頃である。

と同時に、ご婦人たちの話の中身までは存じ上げないけれど、お辞儀をする様子を遠目に眺めながら、日本ならではの素敵な光景だと思ったりもしている。

数年前だっただろうか。

どこかで目にした読み物だったと記憶しているのだけれど、日本人のライフスタイルが欧米化している流れから、立ったまま行うお辞儀を正式なお辞儀だと思っている方が増えているという話題があった。

本来、正しいお辞儀というのは座った状態で行うものとされている。

しかし、畳のお部屋を設けるご家庭が減っていたり、立ったまま行う略式のお辞儀をする機会の方が増えていくと、この辺りのお作法も少しずつ曖昧なものになっていくのかもしれないと感じた話題だった。

f:id:hiiragi1111:20200106140504j:plain

正しいお辞儀と言われる座礼(ざれい)は、正座をして膝の少し前位置に手のひら全体を床につけた状態で上半身を前に倒すというもの。

このとき、両手の指先で三角形を作るようなイメージで手をつき、その三角形に鼻を近づけるようにして上半身を倒すと美しいお辞儀の形となる。

この座礼の他に、三つ指をついて行うお辞儀がある。

女性らしいイメージを抱くこのお辞儀のことを、女性のお辞儀だと思ってしまいそうになるけれど、こちらは相手の表情を確認しながら行うお辞儀スタイルで、時間をかけずに行うことができるカジュアルなお辞儀だったと言われている。

いつの時代も女性には女性ならではの忙しさがあるけれど、そのような状況の中でも夫や家族、お客様を、敬意を持ってお迎えする際に使われていたのだとか。

f:id:hiiragi1111:20200106141244j:plain

女性らしくご挨拶をしなくてはという思うと、つい、三つ指をついてお辞儀をしてしまいそうになりますけれど、こちらはカジュアルバージョン。

節目節目の大切なご挨拶の場や、時間に余裕がある中で交わすご挨拶の場では、落ち着いて正座をして、膝の少し前位置に手のひら全体を床につけた状態で上半身を前に倒す正しいお辞儀を。

そして、カジュアルな場面では、そのカジュアル度や相手との間柄によってご挨拶の仕方も変わりますけれど、カジュアルな中にも相手に対しての敬意を込めたいシーンでは、軽く三つ指をつくご挨拶を行うことで、いい塩梅のご挨拶を交わすことができるかと。

正座をした状態でお辞儀をするシチュエーションも減ってきている昨今ではありますが、上手に使い分けることができると、短いやり取りにも深みが出てくるように思います。

また、久しぶりに座ったまま行うお辞儀をしてみますと、本来であればお辞儀の際には浮かないはずのお尻が浮いてしまうなど、普段の姿勢の良し悪しが出ることもありますので、時々、ご自分のお辞儀をセルフチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。

今回のお話を、関わり合う方と素敵な関係を、素敵な時間を重ねるきっかけに変えていただけましたら幸いです。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/