友人とテラス席でお茶をしていると、空いたスペースで小さな子どもたちが戦隊ごっこをしていた。
取るに足りない話をしながら2人とも戦隊ごっこを視界の端に捉えていたのだけれど、
あるタイミングで、お互いに顔を見合わせ噴き出してしまった。
戦隊ごっこに興じる子どもたち全員がヒーロー役で、
悪役は彼らのイメージの中にいるようだった。
目には見えない敵を想定し、そのイメージを自然と共有して遊ぶ彼らは、
ある意味、想像力と共感力に富んでいるように見えた。
そのような話を、もっと軽めのノリで話していると「了解!!」と威勢のいい声が耳に届いた。
すると友人が社会人の仲間入りをして間もない頃、
教育係の先輩に「了解」という言葉の使い方を指導されたことがある、と話しはじめた。
私も分かってはいても、ついうっかり「了解」と使ってしまうことがあるため、
使いどころに注意を払うことがある言葉だ。
知っていてうっかり、であればその後のフォローもできるけれど、
知らぬまま使いどころを間違えてしまうと、恥ずかしいお年頃という場合もある。
この機会に、身近なところで行き交う「了解」という言葉の使い方をセルフチェックしてみませんか。
気になられた方は、ちらり、覗いて行ってくださいませ。
ものごとや会話の内容、事情などを理解し、認めた際のリアクションとして
「了解」という言葉を使うことがある。
気心しれた相手との間で使っていると、
つい仕事場や少し改まった場面でも口から出てしまうけれど、
この「了解」という言葉には尊敬語が全く含まれていないため、
本来は使う相手を選ぶ言葉のひとつです。
仕事場の上司や先輩、目上の方、お客様との間で使用する際には、
「承知いたしました」という言葉を使用するのが正解です。
「承知」という言葉の中には状況を理解した、知ったことを表す「知」のほかに、
謙譲語である「承る」も含まれているため、
失礼があってはいけない相手との間で使う際には
「承知しました」「承知致しました」を使うと間違いません。
また、「かしこまりました」も理解した上で受けるという意味があるため、
「承知しました」と同様に、間違いがありません。
気心知れた相手とのやり取りでは「了解」という言葉を使用しても良いのですが、
「了解」の後に「致しました」をつけると敬語になること、
「しました」をつけると丁寧語になることを知っておくと使う幅が広がるかと思います。
気心しれた相手に対する「了解」も、
例えば、社外の方や目上の方が同席しているような場面では、
「致しました」や「しました」をつけることができると、
さりげなく気心知れた相手を立てることもできますし、
その場にいる方に対しての礼儀も保つことができて粋ですよね。
言葉やお作法は、「必ずこうしなければいけない」というものではなく、
使うべきシーンで使いこなせる知識と余裕、
その時々の場の空気を読むことができる判断力や、しなやかさがポイントではないかと、私個人は思っております。
もちろん、いつだって、どのようなときだって完璧、というのも素敵なのですが、
時にそれは、自分だけではなく周りに居る人まで肩が凝ってしまうこともありますものね。
知ってさえいれば、自分も相手も窮屈に感じることがないような使い方ができるはず。
言葉やお作法も、自由に楽しみたいものです。
ミルクティーをいただきながら、戦隊ごっこで盛り上がっている子どもたちを眺め、
私たちが「了解!」と口走ってしまうのは、
もしかしたら、子どもの頃に慣れ親しんだ戦隊シリーズなどの記憶の名残だったりして。
そう思ったりもした柊希でございます。
冬の匂いが混じるこの頃、今日も皆さんにとって温かい1日となりますように☆彡