立ち寄った雑貨店の一角に貯金箱が並んでいた。
日本独特のサービスではあるけれど携帯がお財布代わりになりつつある昨今、
貯金箱を使っている人はどれくらいいるのだろうか、とふと思った。
そう思いはしたものの、今もこうして商品として存在しているということは
それなりに需要があるということなのだろう。
スタイリッシュな貯金箱や面白い貯金箱、アイデア満載の貯金箱など目にするけれど、
知名度の高い貯金箱と言えばブタの貯金箱ではないだろうか。
しかも、このブタを模った貯金箱は世界中で愛されている。
ブタは富と繁栄の象徴という理由から世界各地でハッピーモチーフとして人気がある。
ドイツマニアの友人の話によると、
ドイツでは、予想外の幸運に恵まれたときに「ブタを手に入れた」と言うのだとか。
そのような知識がない状態で突然「ブタを手に入れた」と言われたら、
私なら「何ごとだろうか!このヒト、大丈夫かしら」などと失礼なことを思ってしまいそうだ。
思うところはあるけれど、ハッピーモチーフだというところまでは良しとしよう。
そうだとして、どうしてブタの貯金箱が世界共通なのだろう?と素朴な疑問を抱いたことがあった。
素朴な疑問というものは、
発してみれば意外と簡単に答えらしきものに辿り着くようで、
私はこのような説を耳にすることになった。
古のヨーロッパでは、ピッグ(Pygg)と呼ばれる、
オレンジ色と赤色を混ぜ合わせたような暖色系の粘土で食器を作っていたのだそう。
ある時、食器などを作っていた職人に
ピッグ(Pygg)の貯金箱を作って欲しいという注文が入ったという。
職人はその注文を受け、腕によりをかけて貯金箱を作るわけなのけれども、
粘土のピッグ(Pygg)とブタのピッグ(Pig)を勘違いして
ブタを模った貯金箱を作ってしまったというオチ。
ただ、このブタの貯金箱の出来が依頼人の想像以上に良く出来ていたのだろう。
ブタの貯金箱はあっという間に人気が出て世界中に広がり、日本にも届いたというお話。
ただ、この話をしてくれたイギリス人の友人は、こう続けた。
聞き間違い説が広がってはいるけれど、これは多分後付けなのではないだろうかと。
現実的な視点で推測された説によると、
昔はピッグ(Pygg)製のポットに塩を入れて保存していたため、
女性たちは、身近にあった空いているポットの中にお金を貯め始めたのではないかと。
そして、これがPiggy Bamk(ピッグ製の貯金箱)と呼ばれた後に
Pig Bank(ブタの貯金箱)となったという説。
ブタの貯金箱の始まりは定かではないようだけれども、
これだけ世界中に広がったことを考えると、
ブタは富と繁栄の象徴であることも頷くことが出来るように思う。
ということは、やはり貯金箱はブタに限る?ということになるのだろうか。
貯金箱をお探しのあなた、ブタの貯金箱を候補にいかがでしょうか。