先日、お世話になっている知人が出張で近くまで来ているというので、
新幹線の時間まで食事をすることになりました。
ひと通り、様々な話題に花を咲かせ尽くした後、
セルフメディケーション税制は実際のところどれくらいの節税になるのかしら?
準備してる?と尋ねられたのです。
私は新税制であることに加えて自分の現状が把握できていないこともあり、
今年1年間は試しに現状を把握してみようかと思っているところだと返しました。
このような話題に触れる機会がありましたし、
多くの方が対象になる制度でもありますので、
今回は、私自身の知識整理も兼ねて、このようなお話をと思っております。
この機会に柊希と一緒に、要点だけをさくっと知っておきませんか?
|セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは何かしら?
セルフメディケーション税制とは、
薬局で販売されている風邪薬や胃薬、鎮痛剤、花粉症のお薬、その他、
一般用医薬品と呼ばれるお薬の中から指定された成分が入っている1555品目に関して
購入金額に応じて税負担を軽くするというものです。
簡単に言えば、実際に購入した総額に対して支払い過ぎた税金が
申請をすることで後日戻ってくるというものです。
病院へ行くことは少ないけれど、市販の風邪薬や胃薬などはよく購入している、
という方はいらっしゃいませんか。
市販のお薬は、病院へ行く時間を省き手軽に手にすることができるけれど、
病院で処方していただくお薬と比べると割高ですよね。
ご家族が多ければお薬の利用も思っている以上に多くなっている場合もあります。
2017年1月1日から始まった新しい税制ですので、
まずは、この制度を知って、我が家はどれくらい利用しているのかしら?
そのような視点で現状を把握した上で、
この税制を利用する、しないを判断してみてはいかがでしょうか。
|どのような方が利用できるのかしら?
これまでにも医療費控除制度というものがありました。
こちらは、1年間で自己負担した医療費が、
自分と扶養家族の分を合わせて合計で10万円を超えた場合に限り利用できるものでした。
今回のセルフメディケーション税制は、この医療費控除制度の特例という位置づけです。
世帯主と扶養家族の利用を合わせて、
薬局などで、対象となる特定の成分を含んだ一般用医薬品(OTC医薬品)の年間購入額が、
合計で1万2000円を超えた場合、超えた金額に対して利用できます。
対象となる特定の成分を含んだ一般用医薬品(OTC医薬品)に限定されてしまいますが、
1年間を通して薬局で1万2000円以上のお薬を購入しているというご家庭は、
一度、現状を把握されてみても良いのではないでしょうか。
ただ、医療費控除制度を利用している方は併用できませんので、
その時には、どちらの精度を利用した方がより多く返金されるのか、検討が必要です。
また、セルフメディケーション税制対象額の上限は、8万8000円までです。
そして、所得税や住民税を納めていること。
特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診などを
受けていることも利用条件になります。
|対象となる成分を含んだお薬はどのようにして調べればいいのかしら?
薬局でお薬を購入をする際にパッケージをよくみますと、
このようなマークが付いているお薬があります。
このマークが付いているものは対象となるお薬です。
しかし、対象となるお薬でもパッケージにマークが付いていないものもありますので、
よく利用されるお薬があるのであれば、
下記のリストと商品名や成分を照らし合わせて確認すると良いでしょう。
また、薬局によってはレシートを確認しますと、
セルフメディケーション対象商品の印をつけて下さっていることがあります。
自分で調べる手間も省けますのでレシートをチェックするのも方法のひとつです。
※対象となる医薬品確認はこちらからご確認ください。
※対象となる成分の確認はこちらからご確認ください。
|どうして、このような制度がスタートしたの?
私たちにとってお得な制度のような印象を持ってしまいますが、
国民が各自で健康に気を使い、
軽い不調は病院のお薬ではなく市販されているお薬を利用するようになれば
国の医療費を抑えることができるという国の目的があります。
|どのような手続きをすればよいのかしら?
このセルフメディケーション税制は、確定申告をすることで利用できます。
国税庁ホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、
自宅から申告書を作成し、申告することができます。
この制度は遡って利用することはできず、
2017年(平成29年)分の確定申告(平成30年2月〜提出分)から適用されます。
さくっとではありましたが、新しいセルフメディケーション税制と、
その仕組みについては確認していただけたのではないでしょうか。
実際に利用した方が得なのかという点に関しましては、
年収とお薬の利用具合が各ご家庭で異なりますので節税対象になる金額も様々です。
大きく節税できる場合もありますが、
手続きの手間暇を考えた時に感じられることも人それぞれかと思います。
ですから、まずはセルフメディケーション対象商品を
1年間でどれくらい利用しているのかを把握しつつ実際に計算をしてみた上で、
今後、利用するか否かを判断してみてはいかがでしょうか。
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