今年もジリジリッと照り付ける夏の日差しを浴びて
暑いな、もうクタクタだな、と感じているはずなのに、
もう少し高く、もう少し遠くまで飛べそうな気がしてしまうのは、
夏の日差しが人の気分を高揚させるのが上手だからでしょうか。
皆さんの身体は、夏の様々な疲れを溜め込んでしまっていませんか。
気分にムラがあり、落ち着かなかったり、イライラしたり、
何が起きたわけでもないのに不安な気分になってしまう。
しっかりと食べて、水分も補給して、睡眠も取れているはずなのに、身体が思うように動かない。
そのような状態は、心と体の双方がお疲れ気味であるサインかもしれません。
最近感じた素敵な香り、美味しそうな香り、自然を感じる香り、夏の香り、覚えていますか?
普段使っているスキンケアアイテムやボディーソープの香りに
「癒される~」と、感じたのはいつでしたか?
よく、心と体の双方が付かれているような時は、香りに対して鈍感になっていると言われます。
このような時には、こまめに好きな香りを感じることも、
心身のバランスを整えることに、ひと役買ってくれます。
身近にある、お好きな香りを改めて感じてみるだけでも十分なのですが、
今回は、気分を鎮静させてくれるアロマオイルのことを少し、と思っております。
今回のお話に登場するアロマオイルは「ネロリ」というもの。
女性のスキンケアアイテムや香水などにも使用されていますので、
知らぬ間に、その恩恵を受けている方も多い、香りのひとつかと思います。
このネロリは、日本で言うところのダイダイの花から抽出されるオイルのことなのですが、
一般的にはビターオレンジの花から抽出されるオイルという説明されることが多いです。
花を咲かせるまでに4、5年ほどかかりますし、
オイルを抽出できるまでの量の花を確保することも容易ではないため、
他のアロマオイルと比べますと高価なオイルに分類されます。
気になる香りは、ビターオレンジの花というだけあり、
柑橘系の香りとフローラルの香りが絶妙に混ざり合った、爽やかで優しい香りです。
その爽やかで優しい香りの奥に、ほんの少しだけ苦みが感じられるのですが、
これがあるからこそ、香りに深みと大人の上品さや優雅さが加わるような気がします。
このネロリは、イタリアの小国ネローラ公国の
アンナ・マリア妃がお気に入りだったことでも有名で、
彼女は様々な所に、この香りをまとわせて楽しんでいたようです。
さて、今回は気分を鎮静させるオイルとして、お話しておりますので、
オイルの効能にも触れたいと思います。
ネロリは感情のバランスを取る作用があり、天然の精神安定剤と呼ばれることがあります。
様々な影響によって気持ちが過敏になっているときにネロリの香りに触れると、
気持ちが落ち着いたり、安心したり、
身体の底からやる気が、じんわりと湧き上がってきたり、
自然の中で深呼吸をした時に感じられるような開放的な気分になったり、と
身体のバランスを整えることに長けた成分が含まれているようです。
女性は体内のホルモンバランスが変化することが常。
そこに気候の変化、季節の移り変わり、日々の疲れなど様々な状況が加わります。
もちろん、ネロリの香りそのものも素敵なのですが、
このような効能も持っている香りなので女性のアイテムに使用されることが多いというわけです。
他にも、自律神経の乱れも原因のひとつだと言われているような不眠の症状や
お肌の新陳代謝が鈍くなってきているときや、
肌質のバランスが崩れているとき、肌トラブルが起きているときなどに、
お肌のコンディションを整えてくれる成分としても知られています。
興味を持たれて使用される際には、使用量にご注意くださいませ。
ネロリの使用量は、極々少量(一滴)で十分です。
香りに慣れてしまって、つい量を増やしたくなることがあるかもしれませんが、
体質や体調によっては、過剰に使用しますと頭痛や吐き気が出る方もいらっしゃいます。
何ごともバランスですので、貴重な香りを上手に楽しんで下さいませ。
私たちの身体がバランスを崩した時に整えるための方法と言えば、
水分と栄養を摂って、しっかりと眠る。
これに勝るものは無いような気もするのですが、
それでも、あと一歩が思うように整えられないということもありますよね。
このような時には、楽しみながら香りを感じてみることも、ひとつの方法ではないでしょうか。
香りのお話を、あなたの知識ボックスの片隅に、ちょこんと置かせていただけましたら幸いです。