先日、ある紙面に目を通していると興味深い記事に遭遇した。
それは、ニューロナビと呼ばれる、
脳波を使った観光ナビシステムの体験イベントが行われたというもの。
これだけでは、どのような観光ナビシステムなのか、
いまひとつ分かり難いので簡単に説明させていただくと、
脳波を計るヘッドセットを装着すると、
個々の脳波を「好き」、「眠気」、「ストレス」、「興味」、「集中」という5つの感情に変換してくれるのだそう。
そして、変換された感情の中から、その時々に最も強く出た感情にマッチした、
あるいは、その感情を満たすことができる観光地や体験等を提案してくれるという、
近未来的な観光ナビシステムだ。
提案される観光地等は、事前に登録されている情報から選ばれるため、
限りはあるのだろうけれど、
今の自分が本当に行きたいと思っていること、したいと思っていることが分かるのだという。
様々なことを自分の意思で選ぶことができる時代だけれども、
その情報の多さから、自分で「選ぶ」、「決断する」ということに
ストレスを感じている人の割合も増えてきているようなのだ。
そう言われてみると、試験的なシステムを含めて、
自分以外の誰かや、自分以外の何かに、
ある程度決めてもらうようなシステムが様々な業界で増えているように思う。
毎朝、お洋服のコーディネートに頭を悩ませることが煩わしいとか、
簡単にプロのおしゃれを楽しみたいとか、
トレンドはリーズナブルに楽しみたい、物を増やしたくない、など。
理由は各々だと思うのだけれども、お洋服のレンタルなども増えてきている。
全てをシステムに委ねる訳ではないけれど、
「選ぶ」ということを大なり小なりストレスに感じている現代ならではだと感じる。
もちろん、選ぶことをストレスに感じているだけではなく、
自分の普段の思考癖や好みの癖から少し離れることができ、
新しい何かや、新しい自分を発見できる楽しみも含まれているからこそ、
受け入れられている現状があるのだろうけれど。
これらのシステムは近未来的、運試し的にも見えて、面白いけれど
私は、選んだ先に何があったとしても、多少の煩わしさを感じたとしても、
それも含めて自分の日々は自分で選んでいきたい気持ちが強いため、
常用することは無いだろうなと思っていたりする。
と同時に、このようなことを言っている人に限って、
すんなりとハマってしまうような気もしないではないのだけれど。
シンプルに暮らす、というのは、
簡単なようでいて、やはり、ちょっぴり難しいということなのかもしれない。
皆さんは、ニューロナビのようなシステムを使うことができるようになったなら、
使ってみますか?