先日、今年初めての「よいお年を」という言葉を発した。
お互いにそう発したあと、「今年も何だかんだ早いですね」と笑い合った。
人に限らず、時間にも季節にもそれぞれ自分のペースがあるようで、
相変わらず、私を待っていてはくれないようだ。
どのような1年だったとしても終わりよければ全てよし。
そのような気持ちで、今年最後の悪あがきをもうひとつ。
そう思いながら、その場を後にした。
冷たい風を遮断するかのようにキュッと引き締まる毛穴を感じながら、
建物の窓に微かに映る自分に気が付いた。
あ・・・・・・。
引き締まる毛穴にに連動するかのようにしてギュッと縮こまっている姿を見て、
肩をぐっと両サイドに開いた。
たったこれだけのことなのに、体の中心に道ができ、自然と呼吸が深くなる。
そして、街中を駆け抜けていく空気が冷たかったからだろうか。
いつもの空気が少しだけ美味しくも感じられ、
思わぬリフレッシュ効果を得たような気分になった。
どのようなときも、きっかけの大半は些細なことだ。
冷たい空気で体内換気をしながら歩いていると、
前方から、数人の外国人グループが歩いてきた。
割と薄着に見える彼らは、ピンと伸びた背筋が印象的で、
肩で風を切るようにして通り過ぎていった。
そう言えば、彼らには「肩こり」という概念がなく、
日本で言う「肩こり」という言葉は存在しないことを思い出した。
海外でドラッグストアーへ行き、
日本で入手できるような「肩こりに効くお薬」を手にしようと思っても、
簡単に見つけることはできない。
「じゃぁ、外国人の方々は、どのようにして肩こりを防いでいるの?」
当時、そのようなことを思い尋ねたことがある。
話を伺ったのは主に欧米の方々だったのだけれども、彼らの話によると、
自分たちは日本人よりも骨太で筋肉量も多く、しっかりとした体格をしている。
頭の大きさや重さに大差はないけれど、
その重い頭を支える首や肩といった土台の強度には差があり、
負担がかかりやすい日本人は姿勢が悪くなりがちで、
少ない筋肉がすぐに硬くなって痛くなるのでは?
欧米人にも姿勢が悪い人はたくさんいるけれど、骨も筋肉も強いからダメージがないんだよ、とのこと。
随分と遠い日の話ゆえ、近年では、スマートフォンやパソコン環境によって
その常識も少しずつ変わりつつあり、私たちが言う「肩こり」の症状を感じる方も増えていると聞く。
もしかしたら近い将来、「カラオケ」がそうであったように、
「カタコリ」が全世界共通の言葉になるのではないだろうか、と密かに静観中だ。
日本人特有の症状である肩こり、なかなか厄介なものです。
今日も天使の羽(肩甲骨)をほぐして、健やかな1日をお過ごしくださいませ。
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