遠方から出張で出てきていた友人と食事をした。
新幹線の出発時間ぎりぎりまで話そうということになり、駅構内にある飲食店に入った。
店内にいた人の多くが、これから何処か別の場所へ行くのだろう。皆、大きな旅行鞄を携えていた。
近況を報告し合っていると、友人の視線が私を越えたところで動かなくなった。
どうしたのか尋ねると、振り向かずに聞いて欲しいとの前置きの後、
壁際の席に座っている方が、グラスを持ちあげる度に、これでもかというくらい小指をピーンッと立てており、非常に気になると言った。
私が、そっとしておいてあげたら、と返すと、付近のテーブルに座っているお客さんたちも、その小指に釘付けになっており、不思議な空気が漂っていると言った。
私もひと目……と思う気持ちをグッと抑えていると、友人は自分のグラスを片手で持ちあげ、もう片方の手でグラスを持った手の小指をグイッと私の方へと押し出し、「こんな感じ」と笑った。
普段動かさないような動きによってプルプルし始めた小指を見て笑いながら、
確か、小指は二の腕の筋肉に繋がっていたよね、という話題になった。
そのときの会話を思い出したので、今回は小指を使って得られる嬉しい効果とは?というお話を少し、と思っております。
最近、小指を使っていない。と思われましたらチラリとのぞいていってくださいませ。
どのような効果なのかを先にお伝えしますと、
私たちの小指は、二の腕辺りの筋肉と連動しているそうで、
小指を意識して使っていると、少しずつではあるけれど二の腕を鍛えていることになり、
本来であれば、特別な運動をしなくても、日頃の動作によって二の腕を引き締め、その状態をキープできるようなのです。
女性は、二の腕のたるみなどを気にされる方が多いのですが、
このたるみの原因は、二の腕を使っていない運動不足によるもの以外にも、
小指を使わずに生活し続けていることも原因のひとつなのだそう。
例えば、グラスを持つとき、フォークやスプーンを使うとき、バッグや買い物袋を持っているとき、
ペットボトルや瓶の蓋を開けるときなど、手を使う際に小指を使っている意識はありますか。
使っているように見えて、使えていないことに気付くのではないでしょうか。
二の腕を腕の下側と例えると、腕の上側辺りに力こぶがありますが、この筋肉は親指と連動しているのだそう。
親指の場合は、日常を少し振り返るだけで、使っていることを確認することができるかと思います。
この部分を何とかしたい、引き締めたいと感じる方が少ないのは、
腕の上側の筋肉は、親指を使う際にも鍛えられていて、下側の二の腕のようなたるみ方ではないからだと言えるようです。
そして、小指をしっかり使うということは、二の腕辺りの筋肉を使うことになり、
二の腕辺りの筋肉が使われるということは、背中側の筋肉にも少しずつ刺激が伝わりますので、
肩周り、背中辺りも整えられ、体本来の姿勢を自然とキープできるようになり、
血の巡りや、ダイエット、といったことにも繋がるといった効果が期待できると言われています。
特別なことを毎日続けられればもちろん良いのですが、
日常の中のちょっとしたことが習慣になれば、塵も積もれば……という土台が出来上がります。
この機会に、小指も意識的に使う癖をつけて、二の腕を少しずつ鍛えてみませんか。
バッグを持ったり、グラスを持ったり、ペンを握ったり、つり革を握ったりと、
手を使う際には、普段は添えているだけの小指にキュッと力を入れてみてはいかがでしょう。
歯ブラシを握っている間は、小指に力を入れておくというのも良いかもしれません。
もっとしっかりと鍛えたいという方は、
自分の目の前で、タオルの両端を小指だけで握り、
その状態のままタオルを頭上から背中へ通し、腕を下げられるところまで下げたら、
背中から頭上を通してスタート地点に戻す。というようなストレッチを30回ほど行うと良いのだそう。
確かに、このストレッチであれば、肩甲骨辺りにもしっかりと刺激が行き渡るので、より効果的のように思います。
しかし、やったりやらなかったりという状態になってしまうのであれば、
まずは、日常の何気ない動作の中で小指を意識して使う方が良いような気が致します。
小指にもキュッと力を!
何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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