スーパーの一角にあるフルーツショップの前を通りかかると、様々なフルーツの、熟れた甘い香りが鼻と脳を擽った。
素敵な化粧箱や籠に丁寧に詰められたスペシャルなフルーツたちは、照明効果も相まって宝石のように輝いて見えた。
香りを楽しみながら通り過ぎようとしたとき、ひとつ、ひとつ、透明の袋に入れられ、黄色いリボンでラッピングされたキウイが目に飛び込んできた。
とても珍しいキウイ、もしくは、とても高価なキウイだったのかもしれないけれど、私が感じてしまった「やり過ぎ感」をお店の方に悟られぬよう、足早にその場を後にした。
私はキウイを見ると思い出すことがある。
それは、ある医療従事者の方が、「キウイには塩をかけて食べると良い」と仰っていたことだ。
初めて耳にした話に、当時、その場に居たほとんどの人が目を丸くした。
その方は、スイカに塩をかけて食べるのと同じで甘くなるのだと笑っていたのだけれど、皆のリアクションが狙っていたものとは異なっていたからなのか、専門家らしい話を添えた。
キウイには、程よい果糖と、浮腫み解消や高血圧予防に加え、体内の不要な塩分などを排出する手助けをしてくれるカリウムを始め、カルシウム、マグネシウムといったミネラルが豊富に含まれている。
ここに、ほんの少しの塩を加えることで食べる点滴に変身するというのだ。
もっと分かりやすい表現をするならば、ポカリスエットのような栄養構成になり、風邪で寝込んでいるときや、熱中症対策としての水分補給に適した状態になるのだとか。
キウイを飲み込めないような場合は、キウイと水と塩をミキサーにかけるか、ジップロックのような袋に入れて潰しながら混ぜ合わせたものを飲んでも良いという。
そして、皆がキウイと塩のマリアージュに引き付けられたところで、風邪の時に白粥を食べるのは、あまり意味がないと続けた。
梅干しなどと一緒に食べる場合は水分と塩分を補給することはできる。
ただ、これでは栄養が補えていないため心許ない状態なのだそう。
風邪や体調不良を治すための食事としてお粥を食べるなら、完全食と言われる卵である程度の栄養を水分と一度に補うことができる卵粥が良いという。
更に食欲が出てきたら、消化の良い「うどん」で体を温めながら、お出汁からは塩分を、そこに加える卵やお野菜からはビタミンCやその他の栄養素を補給すると、体調不良で失った栄養を満遍なく摂ることができると仰っていた。
ただ、体調が悪いときに食べたいものは体が欲している栄養素であることも多いようなので、食べたいものを食べるのも良いと補足されていた。
もう少し、寒い日が続きそうです。
風邪気味だと感じられた際には、キウイと塩で食べる点滴を。
そして、卵粥や卵とお野菜を入れたおうどんで、失った栄養素や不足している栄養素の補給をしてみてはいかがでしょうか。
今日も皆さんと、皆さんの大切な方々が健やかでありますように☆彡