お酒が程よくカラダに染み渡った最寄駅からの帰り道は、頬に触れる風が冷たくて心地よい。
何気なく見上げた空に満ち始めている月を見つけて、少しだけ気分が上がった。
途中、ラーメン屋の前を通り、
飲んだ後のラーメンの誘惑に素直に従って並んでいるのであろう人たちの姿に、
知人である医療従事者から聞いた、飲んだ後のラーメンは体に悪いわけではない、
という話を思い出した。
知人曰く、お酒を飲んだ後にラーメンを欲するのは、カラダからのメッセージだというのだ。
今回のお話コードは“ラーメンの誘惑”でございます。
ご興味ありましたら、ちらり、覘いていってくださいませ。
お酒を飲んだ後に、無性にラーメンが食べたくなる。
お酒を飲んだ後は、どういうわけかお腹が空く。
このような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
あれほど食べたのに?あれほど飲んだのに?今からラーメンを食べるの?
そのような罪悪感を抱いてしまう方もいらっしゃるかもしれないのですが、
これは体内環境を知らせるカラダからのメッセージでもあるのです。
お酒を飲むと、アルコールが血液内に吸収され血中に含まれるアルコール濃度が高くなります。
体は、血液内に含まれているアルコールを毒素だと認識します。
体内に毒素が侵入すると、肝臓は糖分を貯め込むという一番大切な任務を中断し、
緊急事態である解毒作業(アルコールの分解)に全力を注ぎ始めます。
この解毒作業に肝臓が使うのは、普段からコツコツと貯め込んできた糖分です。
この解毒作業(アルコール分解)で大量の糖分を使うため、
私たちの体はブドウ糖が不足し、血糖値が下がった結果、空腹を感じます。
これが、飲んだ後にお腹が空く仕組みです。
そして、アルコールは利尿作用があるため、アルコールに含まれている水分は尿として排出され、
私たちの体内は一時的ではありますが水分が不足し、脱水症状が起きています。
更に、この時に排出されるのは水分だけではなく、
生命維持に必要なカリウムやナトリウムといったミネラルも排出されています。
ほろ酔いで気分が良いのは本人だけで、
実は体内では緊急事態発生!緊急事態発生!と解毒作業が行われています。
しかし、体内に蓄積してあるものだけではスムースに解毒作業ができないため、
解毒に必要なもの、体内に不足しているものを補うために、
カラダが“ラーメン”というメニューをリクエストしているのです。
どうしてラーメンなのか。
ラーメンのスープには、
魚や豚肉に含まれている旨味成分のイノシン酸が含まれていることが多いのですが、
このイノシン酸は、解毒作業(アルコールの分解)に効果がある栄養素だと言われており、
ラーメンのスープは解毒に必要な栄養素と水分(スープ)と一緒に補うことができるのです。
と同時に、体内のブドウ糖が不足する(=血糖値が下がると)ことで感じる空腹は、
ラーメンの麺を食べることで、不足しているブドウ糖を補いつつ満たすことができます。
このようなことが体内で起こっていますので、
お酒をたくさん召し上がって体内が解毒作業でてんやわんやしている人ほど、
ラーメンを欲するという仕組みなのです。
ラーメンは体内に必要なものばかりが含まれているメニューではありますが、
やはり摂取したカロリーは全て血や肉に変わります。
カロリーを抑えて必要な栄養素を補うことを意識するのであれば、
シジミのお味噌汁や、おうどん、塩粥、お茶漬け、などとお水で十分だと言いますが、
お酒を飲んだ後は、アルコールで味覚が麻痺しているため、
私たちの脳は、ガツンと味の濃いラーメンを欲してしまうのです。
本当に、体は私たちが思う以上に正直です。
お酒を飲んだ後にラーメンを欲してしまうのはカラダからのメッセージであり、必要な栄養素です。
しかし、毎回ラーメンを選んで食べていたのでは、違う負担をカラダにかけてしまいます。
ですから、お酒を飲んだ後にラーメンの誘惑をキャッチした際には、
カラダからのメッセージを受け取った上で、
ラーメンにするのか、カロリーを抑えたメニューにするのか。
今夜はどちら?と楽しく選び分けてみてはいかがでしょうか。
色々な味を様々なパターンで味わって、ココロもカラダも上手に満たしてあげてくださいませ。
今日も健やかな1日でありますように☆彡