友人からメールが届いたメールに、新たな扉を押し開けようとしていることが綴られていた。
何かを始めるのに早いも遅いもなく、
はじめよう、こうしよう、こうしたい、そう思った時がタイミング、そう思う。
もちろん、「どうしようかしら」と迷うこともあるのだけれど、
自分の答えというものは、本当は、割と早い段階で既に決まっているものだ。
答えが出ないと思っている、その出したい“答え”というものは、
その答えを手に取るのか、取らないのか、その部分であることが多いように見える。
キーボードを叩くことを止め、気分転換に出かけることにした。
ついでにランチでもと思ったけれど、ちょうどお昼時ということもあって、
休憩中の人たちでどこも混んでいた。
少しだけ時間をずらそうと足を踏み入れたのは、お世話になっている生花店。
バラ?ミニバラ?奥の方から店主が出てきた。
あー、今日は特には……。
そう正直に言えるコミュニケーションを取らせていただけていることを、ありがたいと思った。
観葉植物をひとつ迎え入れたいと、数か月前に話していたことを思い出したのだろう。
店主は観葉植物の下見でもしたら?と入荷したばかりのそれらを指さした。
ひと際よく目立つ観葉植物の前へ行くと「オーガスタ」と札にあった。
姿形は知っていても名前を知らない植物が、まだまだ多い。
オーガスタは扱いやすい植物ではあるのだけれど、
きれいな状態のまま育て続けるのは大変なのだそう。
葉をもっと増やしたい、もっと大きくしたい、と焦って育てると
葉が破れたり、茎が折れるなどして無残な姿になってしまうのだとか。
人は見かけによらぬものだと言うけれど観葉植物も然り、ということだろうか。
そのようなことを店主に言うと、頷きながら店主が続けた。
「植物のペースを尊重して待ってると立派に育つけど、
焦って急かしてしまうと、こっちが欲しいものは手に入らないんだよ」と。
人も植物も命あるもの、通じるところがあるのかもしれない。
現状を変えなくてはと無理をして動いてしまったり、相手を動かそうとしてしまうことがあるけれど、
ひと呼吸おいて、現状を丁寧に大切に重ねることで手に入れられるものも多々ある。
そのようにして焦らずじっくり丁寧に手に入れたものというのは、
そう簡単に消えることも、無くなることもないことも多い。
春は、やる気と希望に満ち溢れていて気持ちが空回りしてしまうこともあるけれど、
焦らなくても大丈夫。
焦っているときこそ深呼吸。
そのような気持ちで、今年の春も、今日も楽しんでいきたいものだ。