夏は暑くて食欲が落ちたり、逆に過食になってしまったりする季節だからこそ、
お料理の味に、ちょっとしたアクセントを付けて、上手に、さりげなく、体内メンテナンスをしたいものです。
このような時にチカラを発揮してくれるのが、薬効成分を含んだ薬味。
今回は、その中から、ただいま旬真っ只中である“ミョウガ”にフォーカスしたいと思います。
爽やかかつピリッとした特徴ある風味をもった薬味ですので、好みが分かれるものではありますが、
夏バテからアンチエイジングまで幅広くチカラを発揮する成分が詰まっておりますので、
よろしければ、ちらりと覘いていってくださいませ。
ミョウガには、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。
抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を健やかに保ち美肌を促すビタミンC。
この、ビタミンCと一緒に摂ることで皮膚や粘膜を健やかに保つビタミンBも含まれています。
このビタミンBは、細胞の新陳代謝をスムースに行う際にも必要ですし、
糖質を速やかにエネルギーに作り替える際にも必要になる栄養素です。
摂りすぎてしまった塩分を体の外へ出し、浮腫みを緩和したり、予防したり、
高血圧を予防することが得意なカリウム。
女性が良く知る赤血球を作ったり、貧血を予防したり、健康な細胞づくりに欠かせない葉酸も、しっかりと含まれています。
その他、必須ミネラルの鉄分やカルシウムも含まれているため、
夏の間に、ちょこちょこと口にすることで、健やかさを底上げしてくれる薬味なのです。
ミョウガと言えば、あの爽やかだけでどもツンとくる特徴的な香りが印象的ですが、
あの香り成分には、食欲を増進させるだけでなく、消化を助けてくれる効果もあると言われています。
ご家族の中に夏バテで食欲がない方、逆に暑さで過食になってる方がいらしても、
その双方の体内を同じ薬味で整えることができます。
更に、汗をかきやすくする効果もありますので、汗と一緒に、体の中の余分なものを出したり、
体内の熱を上手に発散したりといった効果もあります。
体温調節をスムースに行うことができれば、私たちの体はリラックスしますし、
女性は、リラックスすることによってホルモンバランスを整えることもできますから、
ミョウガを口にする機会がありましたら、ご家族で召し上がってみてはいかがでしょうか。
ただ、この香り成分は、ミョウガの特徴的なピリッとする刺激でもありますので、生で召し上がる際には、適量を。
もしくは、先日の、電車内で揺れていたビッグサイズのマヨネーズの話でも触れましたが、
天ぷらや、ドレッシングに混ぜ込む、炒め物のアクセントにと、オイルを使うメニューに投入して刺激を抑えつつ、栄養の吸収率をアップさせるのも手。
ミョウガは、このようにマルチサプリメントのような薬味ですが、好みが分かれる薬味でもあります。
それもそのはず、口にするのは日本人だけです。
そして、ちょっと面白いのは、古から親しんでいるにも関わらず、
ミョウガを食べると物忘れがひどくなるなどと言われていたりもしているところ。
これには、いくつかの説があるのですが、ミョウガを語る際に共通して登場するのは、お釈迦様の弟子。
このお弟子さん、ものごとを記憶することが大の苦手で、自分の名前までも忘れてしまうことがあったのだとか。
そこで、今で言う名札のようなものを首にかけていたそうなのですが、
この名札、当時は名荷(みょうが)と呼ばれていたといいます。
偶然にも薬味のミョウガと同じ発音だったことから、ミョウガを食べると物忘れがひどくなると言われるようになったのだとか。
他には、このお弟子さんが亡くなったあと、お弟子さんのお墓からミョウガが生えてきたため、
ミョウガと物忘れがセットで語り継がれるようになったという説も。
しかし、ミョウガを調べてみても、記憶力を低下させるような成分は含まれておらず、学術的な根拠もないのだそう。
それどころか、夏バテからアンチエイジングまで幅広くチカラを発揮するマルチサプリメントのような野菜ですので、安心してお召し上がりくださいませ。
ミョウガのお話、何かしらのヒントやキッカケにしていただけましたら幸いです。
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