気を付けてはいるのだけれど、いたのだけれど、うっかり失敗してしまった。
というようなことが、人生には多々起こる。
いや、ここで「多々」と表現してしまうのは、私がそうだというだけであり、
某ドラマのヒロインのように、「私は、失敗はしない」と言い切ることができる人もいるし、
それほど失敗をしない人もいるのだけれど。
人生の歩き方も人の数だけ、である。
人生の歩き方と言えば、これを「生き様」と表現することがあり、
「師匠の生き様から学ばせていただく」といった風に使われることがあるけれど、
この言葉を、目上の方や上司や先輩、師、先人といった方のそれを表現する際に使うことは、失礼にあたるとされている。
今回のお話コードは「生き様」でございます。
お時間がありましたら、ちらりと覘いていってくださいませ。
生き様の「様」は、「さま」という発音が濁って「ざま」と発音されているけれど、
このような濁音は、響きがよろしくないとされ、ネガティブな意味を表すときに使われる傾向がある。
例として挙げられることが多いのは、「無様な格好」、「ざまあみろ」といった言葉だろうか。
この視点から「生き様」という言葉は本来、自分自身の人生を謙遜して言うときに使う言葉である。
そして、この「生き様」という言葉がネガティブな視点を含んでいるのは、
「死に様」という言葉の反対の意味を表す言葉として生まれたことも理由のひとつだ。
このような理由から、目上の方や上司や先輩、師、先人といった方々の人生を
「生き様」という言葉で表現してしまうと、無遠慮で厚かましく、大変失礼にあたるため、
使用するシチュエーションや相手、使い方を選ぶ言葉のひとつとされている。
そして、その替わりとして使われているのは、壮絶な人生、ドラマティックな人生、
紆余曲折あった人生、山あり谷ありの人生、波乱万丈の人生といった言葉たちだ。
濁音に対する感じ方や言葉の響きそのものから感じることも、時代と共に変化しており、
生き様という言葉を、ネガティブなものとして扱わないことも増えてきているのだけれど、
揺らぎの真っ只中にいる言葉であることに変わりはありません。
「生き様」という言葉を使用する際には、
シチュエーションや使う相手をうっかり見誤らないよう、臨機応変に使い分けてくださいませ。
「生き様」の使いどころにご注意あれ、でございます。
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