冬の済んだ空気の中、クリスマスイルミネーションが夜の街を彩っている。
放たれている灯りには、若干の、自分の心模様が反映されるようにも思うけれど、冬ならではの華やかさは、やはり今年もキレイだと思った。
この時季の日本では、光のページェントという言葉をよく耳にする。
光のページェントとは、街路樹などに施された電気装飾が光り、素敵な景色を見せてくれる、
お馴染みのクリスマスイルミネーションのことを指しており、
光のページェントの他に、クリスマスページェントと呼ばれることもある。
私自身、そのようなものだと思っていたのだけれど、外国で初めて迎えたクリスマスシーズンに、
クリスマスイルミネーションのことを指すこの言葉が和製英語であることを知った。
クリスマスも少しずつ近づいておりますので、今回は、そのようなお話を少し、と思っております。
クリスマスページェントという言葉は知っているけれど、本当の意味は?と思われた方は、
温かいお飲み物でも召し上がりつつ、のぞいていって下さいませ。
クリスマスページェントは本来、イエスキリストの誕生の様子を、劇や仮装行列などを通して表現することを通して、誕生をお祝いするイベントのこと。
海外で教会などへ足を運ぶと、イエスキリストの誕生の様子が、
ステンドグラスや、建物に彫り込まれていたり、ワンシーンが絵画として残されていたりしますが、
それを、子どもたちが演じたり、仮装したりするのです。
キリスト教と一口に言っても、お祝いイベントの内容は国や宗派によって多種多様ですので、
クリスマス期間に準備するものも少しずつ異なっています。
こちらでも登場したことがあるシュトレンを「欠かせない」と言う国もあれば、
先日、こちらに登場した4本のロウソクを「欠かせない」と言う国もあるというようなイメージです。
しかし、聞くところによりますと、クリスマスページェントは、国や宗派を問わず行われることが多いイベントなのだそう。
私は海外暮らしの中で、異文化交流というような意味合いで、地域の子どもたちによって行われるクリスマスページェントに招待していただき、何度か観たことがあります。
国籍や風習が異なる私が、そこに含まれている大切な想いなどの全てを理解することはできないのですが、
日本の風習に置き換えて感じるならば、
日本人が年末年始に年越し蕎麦を食べたり、お雑煮を食べることに対して、
「そういうものだ」と感じてそうしているのと似たような馴染み方をしているイベントのように感じられました。
このページェントという言葉には、屋外で行われるイベントというような意味もあるため、
日本では、屋外でクリスマスならではの華やかなイルミネーションを楽しむイベントという意味で、
光のページェント、クリスマスページェントという言葉が定着していますが、
本来は、イエスキリストの誕生の様子を、劇や仮装行列などを通して表現するイベントのことだということは、
大人の知識として、知っておいても良いのではないかと思います。
クリスマスシーズンならではの華やかな光のページェントを楽しみつつ、
頭の片隅で、クリスマスページェントの本来の意味をちらりと思い出していただけましたら幸いです。
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