クッションフロアはとても便利なのだけれど、お掃除を怠ったわけでもないのに、薄い汚れの層が月日と共に幾重にも重なり、
全体的に黒ずんだような、ぼやけてきたような歯痒い状態になることがある。
消耗する床材だと思って割り切ることも多いのかもしれないのだけれど、何となならないのだろうかと、親元を離れて一人暮らしを始めた遠いあの頃から思っていたように思う。
メラミンスポンジが良い、ワックスの剥離洗剤を薄めて使うお掃除法が良いなどと、お掃除のプロから教えてもらったこともあり、それなりにきれいにする術は手に入れていた。
しかし、お掃除に時間がかかったり、地味に面倒だったりと、キレイさと手間暇のバランスが悪く、お掃除アイテムや洗剤類、お掃除ワザも含めて様々なジプシーを随分と続けたように思う。
もういつだったか覚えていないのだけれど、今から5回ほど前の引越の時だっただろうか重曹と洗濯用洗剤で落とせると、清掃業者の方に教えていただいた。
当時はまだ、重曹活用術の情報も重曹そのものも巷には乏しく、わざわざ重曹を常備することを躊躇ったりもしたのだけれど、
これが想像以上にスッキリと汚れを落としてくれるものだから、重曹を無駄にしてしまうことには目を瞑って頼っていた方法である。
全て目分量なのだけれど、クッションフロアの一か所に重曹をこんもりと盛り、まるでかき氷シロップでも回しかけるかのようにして、液体の洗濯用洗剤を重曹と同じくらいの量かけるのだ。
これを、床の上で食器洗い用のスポンジを使って混ぜ合わせ、その出来立てのドロッとしたペーストで床に円を描くようにして洗っていく。
後は濡れ雑巾で何度も拭って、最後に乾拭きで仕上げるという方法だ。
後で気が付いたのだけれど、クッションフロアに付着して残っていく汚れの多くは、様々なタイプの油汚れである。
この酸性の油汚れを落とすには、アルカリ性を使うのが手っ取り早いため、
そこで登場したのが、アルカリ性の重曹と中性、弱アルカリ性の洗濯用洗剤だったのだと思う。
このことに薄っすらと気が付いてから更に月日が経ったある日、
ということは、私が万能洗剤だと思っている食器洗い専用洗剤でも代用できるではないか、と。
パーフェクトな材料としては、アルカリ性の洗剤なのだけれど、
洗濯用洗剤の中にはアルカリ性であっても、他のものと混ぜると危険だというものもあり、
私は、毎回ここを確認しなければいけないことを面倒だと感じていたこともあり、
パーフェクトではないけれど、余計なことを何も考えずに安心して使うことができるものという条件を最優先させることにして、
重曹と、極々シンプルな混ぜても問題がない食器洗い専用洗剤(中性洗剤)を使うことにした。
結果、重曹と洗濯用洗剤の組み合わせに勝るとも劣らない仕事っぷりだったため、
以来、クッションフロアと言えば、この組み合わせにお世話になっている。
気温が上がり、お水を使ったお掃除も苦ではなくなる頃になりましたら、
クッションフロアを覆っている薄っすらとした黒ずみの一掃に、お試ししてみてはいかがでしょうか。
このペーストは、湯垢 (注意:水垢は汚れの性質が異なるので不向き) にも使用できますので、残ったものは浴室内の湯垢落としとして使いきってしまいましょう。
何だかまた、食器洗い専用洗剤愛のような、少々妙な視点からのお話になってしまったような気も致しますが、
こちらで長くお付き合いくださっている方々は、また柊希の食器洗い専用洗剤愛が始まった……と違う角度から笑っていただければ幸いです。
あ、メインである重曹をお忘れなく。
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