時間を持て余した友人から「麦茶はじめました」の一文と共に、水滴滴るグラスに注がれた美味しそうな麦茶画像が送られてきた。
気温も上がり、キンキンに冷えた麦茶の香ばしさが美味しい時季である。
外出先でいただくそれには心底癒されるのだけれど、どういう訳か自宅で飲む麦茶に限っては、煮出したてアツアツをマグカップにたっぷりと注いで、ふーふーしながら飲むのが好みで、麦茶の作り置きをすることはあまりない。
いつだったか、麦茶を煮出すのであれば沸騰したお湯に麦を入れるとき、一つまみの塩を加えて煮出すと良いと教えていただいた。
そうして淹れた麦茶は、塩を入れずに煮出したときよりも麦の香りが立ち、季節感が増すのだと。
初めは抵抗があったのだけれど物は試しだと思い、塩をひと摘まみ入れてみると塩味は全く感じず香ばしさが増し感動した。
今では、この煮出し方が当たり前になってしまい、自分で淹れる麦茶の香ばしさがどの程度なのか分からなくなってしまったけれど、この方法を止めていないところを見ると、多分、この香ばしさ加減に満足しているのだろうと思う。
翌日、「麦茶はじめました」の誘い文句に乗せられた私は、今年初めての焙煎済みの麦を買いに出かけた。
本当はお手軽な麦茶パックで十分なのだけれど、パックタイプでは飲みきることが出来ないことが多く、
麦茶の作り置きをしても飲みきらぬうちに麦茶を腐らせてしまうため、食材としてそのまま食べることができる粒状の麦を買っている。
この日も、店頭に並んでいた麦茶の中からどれを選ぼうかと陳列棚を眺めていると、店員が麦茶の特徴を教えてくださった。
あまり麦茶に詳しくない私は、美味しいうちに飲みきる、食べきることが優先だったので、一番小さな袋入りをいただいて帰ることにした。
自宅に戻り、包みを開けると麦茶と一緒に「麦茶の美味しい煮出し方」という紙が封入してあった。
麦茶をキャニスターに移し替えながら横目で、その美味しい煮出し方を読んでいると、麦茶を美味しくする隠し味があるとあった。
それは、麦茶を煮出す際、ほうじ茶の茶葉をひと摘まみ入れるというもの。
試したことは無かったけれど、ティーパックの麦茶の材料を見たときに麦茶だけでなく、ほうじ茶葉が含まれているものを見かけることがあった。
当時の私は、麦茶100%ではないのかと若干マイナス気味に捉えてしまっていたのだけれど、香ばしさや美味しさを引き出すため、敢えてブレンドしてあったのだと分かった。
企業努力をあらぬ方向へ受け取ってしまっていたことを胸の中でお詫びしつつ、その日購入した麦茶が無くなるまでには、麦茶とほうじ茶の自家製ブレンドにトライしてみようかと思っている。
お手軽な麦茶パックも種類が豊富で迷ってしまいますが、麦茶は同じパックを使っても淹れ方ひとつで味が変わるのだとか。
麦茶の消費量が上がるシーズン到来だというご家庭は、麦茶100%のものと麦茶・ほうじ茶ブレンドタイプと飲み比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
いつもの暮らしをほんの少し、いつもよりもワクワクするものに。
そのようなきっかけにしていただけましたら幸いです。
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