森林浴へ出かけた。
お目当ては別にあったのだけれど、空気が美味しいであろう早い時間帯に、今日の私って健康的!と自画自賛しながら1時間ほどの寄り道である。
散策中にみかけた藤の花は、紫色の蕾が膨らみ始めたばかりの状態で葡萄のような、可愛らしい姿をしていた。
木々の緑だけでなく、枝葉の隙間を縫うようにして差し込む日差しまでもが柔らかく、寄り道してよかったと思った。
折に触れて日光浴が体にもたらす効果をシェアさせていただいているけれど、
強い紫外線に当たり続ければ、体がカルシウムの吸収を手助けするビタミンDを作る前に、強い紫外線によって様々な肌ダメージ、細胞ダメージを引き起こして本末転倒になりかねない。
しかし、森の中で浴びる太陽の光は、木々の枝葉によって程よくカットされて適度な光の強さに調節されているため、森林浴の心地よさに身を委ねているだけで、ビタミンDの補充完了である。
この日私が初めて耳にした言葉にフィトンチッドというものがある。
舌を噛みそうな、言い慣れない、耳慣れない言葉だけれど、森の中にはこのフィトンチッドという成分がたっぷりと含まれているのだそうだ。
そして、私たちはこの成分を森の香りとして感じ取っているという。
私たちが自然豊かな森林へ足を踏み入れると、様々な草木の香りが入り混じった、世間一般で言うところの“森林の香り”がするけれど、
この森の香りの正体がフィトンチッドと呼ばれる成分で、フィトンチッドは、草木自身が自分の身を森に棲む様々な微生物から守るために発散している物質だという。
この物質の効果は、防虫や殺菌、空気を清浄にする作用などマルチに働くようなのだけれど、面白いのは、相手がヒトとなると、ヒトに対しては自律神経を安定させてリラックス効果や安心感を促す香りとして作用するのだそう。
年々紫外線量が増え、その威力も増しているけれど、自然と上手く共存していればダメージだ何だとこれほどまでに考える必要は無かったのかもしれないし、
サプリメントだ、スーパーフードだと言って、凝縮された成分に頼ってしまいがちな現代人だけれども、マルチに働く天然のサプリメントのようなものも本来は、私たちのすぐそばにあったのかもしれない。
自然豊かな場所には、心身に良い働きをするフィトンチッドという物質だけでなく、マイナスイオンやその他、人の心身を健やかに導く成分が豊富にあるのだろう。
それにしても、久しぶりの森林浴は本当に心地良い。
「生き返った」と素で感じてしまう辺り、森林浴から受け取る恩恵は体感以上なのだろうと思う。
久しぶりの森林浴を満喫しながら、ヒトが自然から離れすぎてしまうのは考えものである、そして、
フィトンチッドという言葉をいつまで覚えていられるだろうか、と思った日。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/