立派な青紫蘇を豪快に刻み、わしゃわしゃっとほぐしたものを様々なメニューにドンッと乗っけるのが好きだ。
その量は、紫蘇嫌いの方が目にしたら「そんなにたくさん乗せないでよ」とクレームが入るくらいの量であれば、尚良し、である。
その日も、ザクザクと音を立てながら青紫蘇を刻んでいたのだけれど、ふと、いつぞやかにテレビで見た光景を思い出した。
日本のパクチーブームの様子をモニター越しに見たタイの方々が眉をひそめて、「あんな量のパクチーを食べるのはおかしい」と言っていたのだ。
更に、外国の方々が日本のワサビによるアンチエイジング効果に魅了され、罰ゲーム以上の量のワサビを美味しいと絶賛しながら消費する様子に笑ってしまったことも思い出した。
誰に迷惑をかけている訳でもなく、好きなモノは好きだと言って青紫蘇くらい存分に食べればよいのだけれど、記憶の隅に残っていたそれらの映像と自分を重ねてしまい、手を伸ばしていたもう一束の青紫蘇を冷蔵庫へと戻し入れた。
美味しいだけでなく、アレルギー予防や健やかなお肌への手助けなどまで期待できることも相まって、つい、気持ち多めに食べたくなってしまうけれど、何ごともバランスである。
青紫蘇と言えば、紫蘇の塩漬けを海苔のかわりに巻き付けたおむすびも、この時季は特に美味しいように思う。
初めて口にしたのは旅先でふらりと入った飲食店だった。
旅の高揚感も程よい調味料となっていたのだろうけれど、あのとき食べた紫蘇むすびは絶品だったと、今でも時々思い出す。
洗った紫蘇は塩水にひと晩つけ、あくを抜く。
もしくは、洗った紫蘇を少量のお塩を入れた水を沸かしたものにサッと潜らせ水でしめる。
そして、キッチンペーパーなどを使って水分をしっかりと取りのぞき、
紫蘇に軽く振り塩をして重ねたものをラップに包み、冷蔵庫で2日ほど寝かせれば紫蘇の塩漬けの出来上がりである。
使う時に出ている水分は軽く絞り、海苔のかわりにおむすびに巻き付ければ、紫蘇むすびの完成である。
塩味が強いようであれば数分間ほど水に浸して塩抜きをしてもいいし、面倒であれば刻んだものをお塩かわりにご飯に混ぜ込むのもありだ。
とても簡単にできる紫蘇の塩漬けなのだけれど、私は冒頭のとおり、塩漬け用の紫蘇を確保する前に全てを消費してしまう傾向にあるため、想い出の紫蘇むすびの再現には至っていない。
しかし、今年は気分が乗ってきているため近日中にと買い込んだ青紫蘇が冷蔵庫にスタンバイ中である。
蒸し暑さから白米が喉を通りにくい日もありますが、夏香る紫蘇むすびで爽やかにエネルギーチャージをしてみてはいかがでしょうか。
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