気を抜くと、冷凍庫内の一角を保冷剤に占領されてしまうことがある。
それに、保冷剤のサイズは大中小と疎らなものだから、時折、食材に押しやられたままアート作品のような状態で凍っていることもあり、思う以上に場所を取ることもあった。
このような保冷剤の保存環境を地味に不便だと感じていた矢先のことだ。
知人に、お洗濯で使用する洗濯ネットに保冷剤を入れて冷凍庫に保存すると良いのでは?と提案され、それは良い!と、急いで洗濯ネットを買いに出かけて以降、
我が家の冷凍庫に保存できる保冷剤は、洗濯ネットに入る量と決め、万が一、保冷剤を冷凍庫から取り出さなくてはいけないときには洗濯ネットごと取り出せば良いというスタイルに落ち着いた。
たったこれだけのことなのだけれど、保管に関するあれやこれやが随分とラクになったように思う。
この日は、古い保冷剤を洗濯ネットから取り出して、中身の総替え作業を行った。
洗濯ネット内へ入ることができなかった保冷剤は、いつもの如く中身を小皿やポットに移し替え、消臭剤としての第二のお役目を与えることにした。
そのような作業を繰り返しながら保冷剤のパッケージを眺めていると高吸水性樹脂、吸水性ポリマーという印字が目に留まり、いつぞやかに目にした、紙オムツが砂漠を救うという話を思い出した。
紙オムツにも、この「吸水性ポリマー」が使用されているのだけれど、この吸水ポリマーという素材には、大量の水を含み、水を水のままの状態で保つことができるという特徴がある。
例えば、土の中に吸水ポリマーを混ぜ込んで水を与えると、吸水ポリマーが大量の水を含んで膨らみ、しばらくの間、土の中で水を保持してくれるので、水やりの回数が減るという便利アイテムとして販売されている。
ガーデニングには縁がないという方も、カラフルなゼリーのようなものが詰め込まれたガラス容器に、観葉植物が植えられているものを目にしたことがあるかと思うのだけれど、あの「カラフルなゼリーのようなもの」が吸水ポリマーである。
このような特徴を持っている吸水ポリマーで根っこを覆った植物、樹木を砂漠に植えれば、水の蒸発を抑えられるため、あとは定期的に水分を補給することで、少ない水分でも木を育てることができるのではないかと、実験が行われているという。
「紙オムツが砂漠を救う」というフレーズは大袈裟に聞こえることもあるけれど、水分を外へ逃さない紙オムツの技術が、砂漠を救うために歩き出したということのようだ。
持っているものを最大限に活かして出来ることをする。
シンプルなことだけれど、これがとても難しい。
どのような特徴も使い方ひとつ、考え方ひとつなのだなと思いつつ、我が家にやってきた吸水ポリマーを消臭剤ポットに注ぎ入れた日。
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