この時季は、室内に置いている観葉植物に水を与える回数が非常に増える。
暖房の影響もあってか、夏以上に水を欲しているようで、すぐに土の表面が乾きはじめるのだ。
花器になみなみと注いだはずの水も翌朝には水嵩が減っており、思わず、良い飲みっぷりねと声をかけてしまいそうになる。
そして、そんな観葉植物や切り花の様子を眺めながら、私の体内も同じくらい水分が減っているのかもしれないとハッとして、マグカップに白湯をなみなみと注ぎ入れ、私自身にも水分を補給するのである。
この時季、加湿器が必需品のひとつになっているのだけれど、どんなにシンプルなものを使ってみても、それなりに必要となるお手入れや、加湿器そのものの出し入れを面倒だと感じることがあった。
そこで、今年は家電加湿器からエコ加湿アイテムにシフトしてみたのである。
シンプルな器に水を張り、ここ数年でデザイン性や機能も上がりつつある専用フィルターを入れるだけのアレだ。
フィルターが器の中の水を吸い上げて、フィルターから空気中に蒸発させ、湿度を上げてくれるというもの。
雨が降れば器の中の水は想像以上に減らず、大して乾燥していないだろうと思う日の夜でも、ひと晩で500~700㏄ほどの水がきれいに無くなるところを見るに、冬の乾燥は夏のそれよりも強敵なのかもしれない。
効果に関しては、正直なところ全く期待しておらず、扱いが楽だろうという理由だけで試したエコ加湿アイテムだったのだけれど、
枕元に置いて眠った翌朝に感じる喉と肌の潤いが加湿器以上だったものだから、眠る前に器に水を注ぎ入れることが早くも習慣として定着したように思う。
フィルターに施された抗菌・防カビ加工などは今の技術なのだろうけれど、加湿する仕組みそのものは至ってシンプルで昔ながらの知恵、そのものである。
そう言えば、ここ数年の間に「湯たんぽ」人気も上がってきているときく。
その中でも、体の芯から温めてくれる陶器製の湯たんぽが特に人気なのだとか。
人気の理由は、陶器に使用されている「土」の中には熱を加えると遠赤外線を発生させるケイ素が含まれているため、日光浴をしているような温かさがあり、保温性も高いことだという。
気を付ける点があるとするならば、陶器製という性質上、取り扱う折りに、落としたり強い衝撃が加わると破損してしまう点だろうか。
破損の心配をしたくないという場合には、陶器製と比べると温かさの持続性が短くはなるけれど、金属製のものやプラスティック製のものを選ぶと良いそうで、その温かさは、肌表面が温かいベールで覆われるようなイメージだという。
最新技術が搭載されたものも便利で良いのだけれど、ここのところ、昔ながらの知恵によるアイテムを見直したものを目にする機会が増えている。
最新のものを試しても思うような結果に辿りつくことができないときには、ひと息ついて、シンプルに考えてみるのも「テ」なのかもしれない。
そして、本来、自然の一部である私たちの不具合や不調を整えてくれるものがあるのだとしたら、このような昔ながらの知恵の中に在るのではないだろうかと、エコ加湿アイテムや湯たんぽの話題に触れて思ったりもして。
湯たんぽを使った経験がほとんどない私は、湯たんぽの温かさというものにも興味津々なのだけれど、如何せん、暑がり。
今はまだ、陶器製の湯たんぽを経験してみたいという夢レベルの思いなのだけれど、いつの日か、湯たんぽについて熱く語ることができるような経験をするぞと胸に刻んだ冬である。
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