そろそろ草餅が美味しい季節である。
草餅は、「よもぎ」が混ぜ込まれたお餅で餡を包んだ、一年を通して口にできる定番和菓子の一つで、よもぎ餅のことなのだけれど、私は、「草餅」という呼び名の方が、より春を想像させられるような気がしている。
私は、どちらの呼び方にも馴染みがあるので、その時々の気分で呼んでいるけれど、いつだったか、どこかの和菓子屋で耳にした話によると、地域によって草餅と呼んだり、よもぎ餅と呼んだりと親しまれている呼び名は異なるようである。
しかし、どうしてこのように二通りの呼び名があるのか。
これは、「よもぎ」が使われる前は「母子草(ははこぐさ)」という名の草を使っていたからなのではないかと思う。
「母子草(ははこぐさ)」は春の七草のひとつでもあるのだけれど、先人たちの頃は、この草をお餅に混ぜ込んでいたという。
当然、炊き立てのもち米の中に下準備を済ませた「母子草(ははこぐさ)」を入れ、杵で突いたり潰したりしながら草色をしたお餅に仕上げていくのだけれど、
草餅を作る度に母と子を杵で突いたり潰したりするのは縁起が悪いではないかと言われるようになり、「母子草(ははこぐさ)」の代わりに「よもぎ」を使って草餅を作るようになったのだとか。
まだ、正しい答えに辿り着くことはできていないけれど、この辺りが、地域によって親しまれている呼び名が異なる別れで目ではないかと思っている。
春の七草である「母子草(ははこぐさ)」を使った草餅も十分に春を感じることができるだろうけれど、3月から5月頃までが旬だと言われている「よもぎ」は、「ハーブの女王」や「万能薬草」という異名を持つほどに、薬効と栄養価が高いので、「よもぎ」を使った草餅や草団子は、旬と栄養を同時に味わうことができる和菓子である。
私にとって「よもぎ」という食材は身近なものではない。
そのため、和菓子や天ぷらなどプロの手で調理されたものを楽しんだり、入浴剤やマッサージペーストなどに加工されたものを楽しむことがほとんどなのだけれど、
そのような生活を送っていると「よもぎ」に限らず、いつの間にか旬が分からないものが増えているのである。
何時でも何でも手に入る生活から完全に離れることは難しいけれど、旬を取っ払った日常は、変化に乏しいものであるようにも思う。
そろそろ端午の節句でもありますし、菖蒲湯に「よもぎ」をプラスしてリラックスしてみるも良し、お手軽入浴剤で「よもぎ」を堪能するも良し、草餅や草団子で晩春を感じてみるのも良いのではないでしょうか。
このような時ですので、思うように思うものが手に入らないこともあります。
そのような時には、ハッピーは自分で作っちゃってOK。
グリーンのものを「よもぎ」に見立てて楽しむくらいの柔軟な思考で過ごすのもアリだと思うのですがいかがでしょうか。
本日も、ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございます☆彡
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