家中の窓を開け放った。
風が、あちらから、こちらからと自由に吹き抜けていく感覚は、とても心地良い。
時折、バタンッと想像以上の音を立てて閉まるドアに驚くこともあるけれど、風が残した足跡のような気がして、不思議とイラつきはしないのである。
その日も、家中の窓を開け放って一息ついていたのだけれど、ふと、自宅周辺の騒音が増したように感じられた。
きっと、普段通りの音量に戻っただけのことなのだろうけれど、ここ数か月間、随分と人や車の往来が減っていたのだと改めて思った。
様々な視点や優先順位があるため、一概にどうだ、こうだとは言えないけれど、少しだけ、あの程よい静けさの心地よさを思い出したりもして。
そのような思いは、いつも通りの日常にすぐに掻き消され、レモンウォーターを口に運んだ。
この日使用したレモン果汁は、シチリア産のレモンを使ったものだった。
その時の気分やご縁で、シチリア産レモン果汁や国産レモン果汁を購入しているけれど、シチリア産のものは外国の味がするように思う。
自宅に居ながら異国の味を楽しむことができるなんて、よくよく思えばすごいことだけれど、ふと、最近知ったフードマイレージという言葉を思いだした。
時折、見聞きしていたような気がする言葉なのだけれど、何を意味しているのが調べぬまま過ごしてきたけれど、先日、遅れませながら調べてみたのである。
今回は、そのようなお話をと思っております。
ワタクシ柊希の脳内整理も兼ねておりますけれど、「それって何ぞや?」とご興味持たれた方は、お付き合いいただければと思います。
フードマイレージとは、食料が移動した距離のことで、
異国の地から食料を輸入する際、輸入相手国からの輸入量(重さ)と輸入国までの距離を使って導き出される数値なのだそう。
同じ量の食料を輸入するにしても、輸入相手国までの距離が異なれば、輸送する際に必要となる資源や排出されるCO2の量も異なることになる。
日本は、食料自給率が低いため、多くの食料・その他を輸入に頼っていることもあり、国民1人あたりのフードマイレージと呼ばれる数値は、世界の中でも非常に高いのだそう。
フードマイレージは単純に、食料が輸送される区間のみを切り取って出される数値なので、この点だけに固執して多くを判断することには問題があるように思うけれど、
地産地消を疎かにしないことでできる、環境に対しての配慮や国内生産者の皆さんに対しての配慮があるように思う。
どちらも楽しみながら、活かしながら、自分なりにできる配慮を見つけられたら、もっと過ごしやすい日常を作ることができるのかもしれない。
フードマイレージ。
頻繁に見聞きする言葉ではありませんが、食材や食品を手に取る折に、ちらりと思い出していただけましたら幸いです。
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