幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

欲望に忠実になった夜と魔法のスプーン。

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しっかりと夕食を食べたばかりだというのに、お腹の虫が「デザートはまだかい?」と騒ぎ始めた。

私の身体は、この時間のデザートを口にしない方が通常の数割増しで整うのだけれど……と、遅い時間を指している時計を見て思ったけれど、その日は、普段よりも歩いて疲れていたこともあり、プチご褒美のような気分で冷凍庫に忍ばせていたアイスクリームを手に取った。

ここで、うだうだと「食べない方がいいのだけれど」などと思っていると、せっかくのアイスクリームもデザートタイムも台無しになってしまうから、食べると決めたら気になるあれやこれやは潔くスルー。

どうしても気になるのであれば、楽しんだ後に、出来るだけ無かった事にする栄養の仕組みを使って対処するというのが柊希流である。

そう言えば、昨年の秋頃にアイスクリームを美味しく食べるためのスプーンというものを頻繁にみかけたことを思い出した。

パッケージこそ各々の個性が出ていたけれどスプーンそのものは、形状、素材ともに大差はなく、どのような意味でアイスクリームが美味しくなるのだろうかと、小さな好奇心が芽生えた。

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アイスクリームの美味しさが際立つ温度は-8℃から-14℃なのだとか。

ものによっては-14℃が美味しく食べられる温度だと言われているようだけれど、カチカチに凍った状態ではスプーンが入っていかない。

特に、アイスクリーム内に含まれる空気の量を極力抑えた、食べ応えあるアイスクリームの場合、このような状態であることが多く、程よい柔らかさに溶けるまで待つ必要がある。

この待ち時間も至福の時だと捉えることもできるけれど、無理をして手の平の熱でカップごと温めて早く食べようとすれば、アイスクリームの溶け方に差が生まれて、本来の美味しさからは遠ざかってしまうという。

そこで、熱を伝える特徴を持ったアルミニウムや銅と、熱いものから冷たいものへ移る「熱」の性質をマッチングさせて作られたスプーンが、最近よく目にするアイスクリームを美味しく食べるスプーンである。

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アイスクリームをこよなく愛する私の友人は、このスプーンを大絶賛しており、それならば私も試してみるかと思った。

しかし……だ。

アイスクリームを頻繁に食べない私が持っていても宝の持ち腐れだし、魔法のスプーンのおかげでアイスクリームを口にする回数が増し、気になり事が増えるのも考えものだと思い直し、今のところは見送っている。

その日は、まだ見ぬアイスクリームを美味しく食べるスプーンを思い出しながら、ブルーベリースースがたっぷりかけられた甘酸っぱいそれを口に運んだ。

疲れで熱を帯びている体が、クールダウンしていく感覚はとても心地良く、そこに、デザートを何となく口にするときとは比べ物にならないほどの満足度と口福度も相まって、幸せなデザートタイムとなった。

スプーンの話題になってしまいましたけれど、自分を労わる日や甘やかす日は、余計なことを考えず、目の前の時間をご堪能くださいませ。

ささやかな時間であったとしても、翌日の大きなエネルギーをチャージできるように思います。

本日も、ここへ足を運んでくださった皆様と、皆様の大切な方々が笑顔でありますように☆彡

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