幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

なんちゃってグラニテから貝ボタンまで数珠繋ぎ。

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買ってきたレモンゼリーを冷凍庫へ入れた。

冷やしたものをそのまま食べても十分に美味しいゼリーなのだけれど、適度に凍らせたものを摩り下ろしてシャーベット状にすると、手軽にグラニテを作ることができるので、ホームパーティー中のちょっとしたお口直しに最適なのである。

(※グラニテとは、フランス料理などのコース中で出されるシャーベット状の氷菓のこと。)

シャーベットは、お喋りに夢中になっているとあっという間に溶けてしまうけれど、凍らせたゼリーで作ったそれは、溶けかけもまた、むっちりとした食感が楽しめるので気に入っている。

「なんちゃってグラニテ」ではあるけれど、フルーツ入りのゼリーを使えばフルーツ部分も良いアクセントになり、立派な一品になるように思う。

ホームパーティーをする予定は無いけれど、自宅メニューで気分を上げるための下準備といったところである。

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不意に窓の外へ視線を向けると、青い空いっぱいに「ザ・夏雲」が広がっていた。

育ち盛りの子どもたちの頬っぺたのように、ぷっくり肉厚でフワフワの夏雲だ。

夏雲と夏雲を通り抜けて降り注がれる日射しの圧を前に、どおりで暑いわけだと思ったけれど、今年もこうして夏を感じられることがありがたい。

その日の空が、あまりにも海が似合うような空をしていたものだから、今夜は螺鈿細工が施されたプレートで食事をと思い立ち、食器棚から数枚取り出した。

螺鈿(らでん)の「螺」には巻き貝の意味があり、螺鈿(らでん)の「鈿」には飾るという意味がある。

螺鈿細工は、貝がらの虹色に光る部分を薄く取り除いたものを、食器やお箸といった日用品や、アクセサリーなどの装飾品、その他の様々なものに飾りつけて仕上げられたもの。

優しい光を放つ螺鈿細工の美しさに魅了される方は多いけれど、美しさ以外にも、貝殻は変質することが少なく、半永久的に保存できることが多いので、古より世界各地で様々なシーンや用途で使用されてきた実用的な素材でもある。

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実用的な素材と言えば、貝殻で作られた貝ボタンもそのひとつではないだろうか。

丁寧に作られた貝ボタンは強度があるだけでなく、不思議な華やかさと存在感を放つため、シンプルなデザインのお洋服にアクセサリーのような雰囲気で寄り添ってくれるように思う。

いつだったか、日本製の貝ボタンの半数以上が奈良県にある会社で作られているとショップ店員の方から聞いたことがある。

ボタンの大きさにもよるけれど、ひとつの貝殻からボタンの原型を幾つもくり抜き、厚みによって選別し、様々な工程を経てひとつのボタンが生まれるという。

私が思う貝ボタンは、海が近くにある場所で作られているようなイメージがあったため、海が無い奈良県で半数以上も?と思ったものだから強く記憶に残っている。

ついついお洋服本体に意識が向いてボタンは二の次になりがちだけれども、丁寧に作られたボタンがあり、そのボタンを使いたいと選んだデザイナーの方がいることを想像すると、1着のお洋服に対する愛着も数割増しになるように思う。

使い捨てるだけの時代もそろそろ終わり。

こういった、長く愛される良きものやそれを支える技術に再びスポットライトが当たりはじめているのかもしれない。

そのようなことを思いつつ、今週も、無理のない範囲で楽しみながら、楽しみを見つけながら過ごそうと思った日。

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