某日である。
油淋鶏用に下ごしらえを済ませた鶏肉を、熱々の油がひたひたに入ったフライパンに投入した。
通常であれば、鶏肉をそのままじっくり焼いていくのだけれど、この日は鶏肉を掴んでいた指先がうっかり油の中に入ってしまった。
指先からジューッと妙な音がしたものだから、鶏肉から慌てて手を離し水道水を流しあてた。
水道水では間に合わず、保冷剤との合わせ技で指先を冷やすも、思いのほか火のとおりが早かったのか皮膚の奥へと熱が突き進んでいくような感覚があった。
結局、その夜は保冷剤を手放すと痛くて眠れそうになく、常備している冷えピタを指に巻き、その巻いた指を一番大きな保冷剤の上に乗せた状態で眠ることにした。
保冷剤を横たえて眠る夜、このときばかりは熱帯夜で良かったと思った。
幸いにも翌朝の指先からは熱も傷みも消えていた。
油に浸かった部分の皮膚が若干硬くなってはいたけれど見た目も問題なく、事無きを得た。
随分と久しぶりに起きたキッチン惨事だったけれど、あの指先から聞こえてきたジューッという音と熱が皮膚の奥へ入っていくような感覚は、まだ指先に残っている。
揚げられる食材の気持ちを疑似体験したような、していないような妙な感覚である。
前夜の出来事を、そのように思いながら気持ち新たにデスクに向かっていたのだけれど、急に激しい雨が降り出した。
ゲリラ豪雨とまではいかないけれど、それなりに力強さを持った雨だ。
開け放っていた窓からは、辺りの熱気を抱え込んだような生温い雨の匂いが流れ込んできた。
雨が降りはじめると反射的に換気中の窓を閉めてしまうことがあるけれど、家の中に雨粒が入ってこないような状況であれば、雨降りの日も換気をした方が良いという。
家づくりのプロからの受け売りだけれども、雨の日も窓を開けて換気するとカビの原因の多くを取り除くことができるそうだ。
カビが発生する原因には湿度の高さや埃などに意識が向くことが多いけれど、空気の流れがなく空気の移動がない環境もカビを発生させやすいため、雨の日も窓を開けて空気の流れを作ると、湿気などが移動する空気に乗って外へ流されるという。
この状況を作るコツは、窓を1カ所のみ開けるのではなく、2、3カ所の窓を同時に開け、可能であれば各部屋のドアなども開け放つこと。
こうすることで、大きな空気の流れを作ることができ、家中の湿気や不要なにおい、古くなった空気などがキレイさっぱり入れ替わるようだ。
梅雨の長雨期は過ぎてしまいましたけれど、そろそろ秋の長雨期に突入致します。
雨の日の換気は躊躇いがちですけれど、室内のコンディションを整えるためにも、気分転換にも、様々なウイルス対策にも、程よい換気を是非。
そして、ワタクシのように熱々に熱した油で自前の指を揚げてしまわぬよう、ご注意くださいませ。
本日も、柊希にお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
長月もココロ晴れやかに過ごせますように☆彡
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