あ……続きが……。
出かけるまでの間だけと、ながら見をしていた番組がCMに入った。
人気がある番組なのか時間帯がそうさせるのか、スポンサーが多いのだろう。
CMが多い印象を受けた。
そのこと自体には何ら問題はないのだけれど、答えに辿り着けぬまま家を出なくてはいけないという状況は、私にとって少し歯痒いものであった。
リビング内を無駄に右往左往しながら待ってみたけれど、タイムアップである。
テレビを消し、鞄を持ち、マスクを付けながら玄関へと向かった。
肝心な部分を見せずに、盛り上がりの一歩手前辺りで「待って!」と言われているかのようなこの状況、よく使われる手法である。
手法というべきか効果というべきか、これには呼び名があったと記憶している。
呼び名はすっかり忘れてしまったけれど、とある学者がチーム分けした2つの集団を使って実験を行ったという。
その実験というのは、双方のチームに問題を出して答えを導き出してもらうのだけれど、片方のチームは問題を最後まで解いてもらい、もう片方のチームは問題を解き終わる前に切り上げさせて、他の作業をするよう指示を出すというものある。
例えば、Aチームには10問全てを一気に解いてもらい、Bチームには9問解いて1問残した状態で、他の作業をしてもらうというような状況だ。
途中で投げ出してしまうような後者のパターンでは、頭には何も残らないような印象があるけれど、実際のところは、問題を一気に解いたチームは、問題を解きはしたものの内容に関してはうろ覚えで、中断させられてたチームは問題の内容まで覚えていたという。
人は成し遂げることができなかったことや、中断しているものごとに対して、夢中になったり集中力を発揮したり、強く記憶に残る傾向にあるという。
更に、そのものごとのゴールが近ければ近いほど、その傾向は強くなるのだとか。
だから、試験勉強などをするときには区切りが良いところまでやり切って次へ移るよりも、その一歩手前で敢えて手を止めて次に移るようなスケジュールを組むと、記憶に定着しやすい傾向にあるという。
このような、人が持っている癖みたいなものは使い所と使い方ひとつである。
例えば、その日のうちに終わらせようと思っていたミッションが3つあるけれど、何だか調子が上がらず最後の一つに苦戦していたとする。
そのまま無理して3つ完了させることもできるけれど、敢えて途中で止めるという選択肢もある。
中途半端に止めてしまったら、生産性が落ちてしまうとか、サボっているみたいで嫌だとか、怠けているみたいだと感じてしまう人もいるとは思うけれど、そのように思うときほど、途中で止めてみるのだ。
すると、疲れからの回復が早く、疲れにくくもなる上に、中断したことに対して発揮される「続きが気になる」「完了させたい」という気持ちが集中力に繋がり、結果、思うよりもすんなりとミッションをクリアできるように思う。
調子が上がらず落ち着かないときは、明日は今日の分まで頑張れる自分を信じて、潔く途中で止める。
そのような方法を試すのもありだ。
時には、「いやいやいや、もうちょっと頑張ろうよ、自分!」と思うこともあるけれど、踏ん張りどころを見極めて臨機応変に、である。
そろそろ、夏の疲れが出はじめる頃かと。
このようなときほど、自分を上手に扱ってハッピーに過ごしてまいりましょ。
本日も良き日となりますように☆彡
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