幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

日本のおもてなしとサラリーマン。

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飲食店に入ると、お水と一緒に差し出されるおしぼり。

この季節は、手を拭うだけでも気分がサッパリするのでありがたい。

珍しく自宅近くのカフェで、この原稿をしたためているのだけれど、

少し離れた席に着いた男性方が、お顔を一斉におしぼりでワシャワシャと拭っている。

お顔を拭くものではないという暗黙のルールをサラリと覆ってしまうような

「それでも拭いちゃうよね、気持ちいいからさ」

という男性たちの堂々たる態度に、日常の中にある平和を感じたりもする。

1枚のおしぼりでリフレッシュ効果が得られて、

その後のお仕事も張り切ることができるのであれば、

思う存分、自由にワシャワシャとやって下さいませ、と思う。

日本には、そう思えるだけの衛生基準と、

その基準を満たすことができるだけの技術があるのだから。

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この「おしぼり」というアイテム、実は、日本発祥のものなのだ。

平安時代からあったのでは、と言われており、

お客様がいらした際にお出ししていた「濡れた布」が、おしぼりのもとになっているのだとか。

そのスタイルは時代によって変化しているのだけれど、

時代劇などで、水をはった桶と手ぬぐいが用意されており、

旅人が手や足を拭っている様子を目にしたことがあるのではないだろうか。

これも、その時代の「おしぼり」のかたちだ。

このように少しずつ形を変えながら成長してきた「おしぼり」は、

戦争の影響を受けて、一度は世の中から無くなりかけたようなのだけれども、

日本が活気づくにつれ、タオルタイプの「おしぼり」が再び登場するようになり、

現代の「おしぼり」ビジネスにまで成長したといいます。

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日本では当たり前の「おしぼり」だけれども、

これは日本発祥のおもてなし文化のひとつで、

海外でも取り入れられつつある注目の習慣なのだ。

だからなのだろう、国際線の機内食サービスで出される、

適温の「おしぼり」に、外国の方は感動するのだとか。

そして、私たちの日常には、

タオルタイプの「おしぼり」やウェットシートタイプの「おしぼり」があったり、

「おしぼり」が経費削減の対象となった飲食店もある。

形を変えながら受け継がれている先人たちの「おしぼり」は、

「おもてなし」であり、

その時代の一端を垣間見ることができるアイテムでもあるのかもしれない。

それにしても、あの「おしぼり」で顔をワシャワシャとするあれ、

女性は、なかなか出来ないことだけれど、

男性にとっては至福のひとときなのかしら。

そのような素朴な疑問を浮かべつつ、

再び現代の戦場へと向かうサラリーマンたちの背中を見送った。

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最後に福袋を純粋に楽しんだのは、いつだったかしら。

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季節柄でしょうね、外国人観光客の姿をよく目にします。

先日の出来事なのですが、

デパートの一角に居合わせた外国人観光客の女性たちからは、

潔いほどの「私たち、サマーバケーション中よ」というオーラが全身から放たれており、

私の目には、その光景が少々眩しく映りました。

小さなガイドブックと店内を交互に見ている女性たちのことが気になりつつも、

知らない土地で、お目当ての何かを自力で探しだすのも旅の醍醐味。

それを易々と奪い取ってしまっては申し訳ないと思い、その場を後にしようとしました。

すると、その中の一人が、

このLucky Bagが欲しいのだけれども、どこにあります?と

小さなガイドブックを指さし、尋ねてきたのです。

Lucky Bagとは日本で言うところの福袋なのだけれど、

このショップ限定で何か出しているのかしら?とガイドブックを見せてもらうと、

お正月感溢れる福袋の写真とともに、

『中身を見ることはできないけれど、

どの袋にも、お値段以上のアイテムが多数入っており非常にお得。

しかも、中身が分からないスリルを味わうことができる上に、

中身を皆で分け合って楽しむことも出来るハッピーになれるアイテム』だと紹介されていました。

ただ、時期に関する情報が一切記載されておらず、

女性たちは期待に胸を膨らませ福袋売り場を探しているようだと推測できました。

日本発祥の福袋が海外でも人気だという話を

様々なメディアを通して見聞きするけれど、現状を肌で感じた瞬間です。

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「福袋」は、元々福の神である大黒様が

打ち出の小槌や米俵と一緒に抱えている大きな袋のこと。

この袋の中には、品物ではなく、幸運や幸福のなどの類が入っており、

大黒様がやってくるとその袋から福を取り出し、分け与えてくださると言われています。

このありがたい名を付けられた、日本のお正月名物のひとつでもある福袋。

その起源には諸説あるけれど、

どれも老舗の呉服屋(現在の大手デパート)が福袋を販売していた説が有力です。

江戸時代に、その年にでた端切れを袋に詰めて売り出したところ大評判となったのだとか。

また別の呉服屋からは、端切れの詰め合わせの袋の中に、

金の帯が入っている「当たり袋」なるものも混ぜ込まれていたようで、

当時の人たちは、運試しも兼ねて福袋を楽しんでいたといいます。

現在では、中身の見える福袋も増え、事前に中身を選べるものが主流になりつつありますが、

福袋の習慣がない外国の方々にとっては、

損得だけでなく「福袋」本来の、中身が分からないワクワク感そのものも

立派な楽しみのひとつのようです。

 

観光客の彼女たちに、

この時期は、大々的に福袋が売られているわけではないということを伝えると、

一気に残念モードのスイッチが入ったのが分かりました。

立ち去り難い雰囲気をエイッと振りきって、私はその場を後にしたのだけれど、

たまには、損得抜きにして、

本来の福袋というものを純粋に楽しんでみるのもいいのかもしれない、

と思った先日の出来事でした。

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目の前にあるものは、シンプルで奥深い。

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異国情緒あふれる店内の厨房に立つのは、タイ人とバリ人のシェフ。

現地から取り寄せた食材を使って作る彼らのスパイシーなお料理はどれも本格的で

いつ行っても、ちょっとしたリゾート気分を味わうことができる。

その日は、休暇を利用して遠方から遊びにきていた友人を連れ、

束の間のリゾート気分を味わうことにした。

昼間から、お喋りし通しだというのに、まだまだ尽きることがない様子に、

今夜中に全部話し終えられるかしら?と二人して首を傾げた。

近況報告と言うよりは、次はこんなことをしてみたい、

あんなこともしてみたいという話が大半を占めていたのだけれど、

それぞれ二の足を踏んでいたようなことも出来るような気がしてくるのだから不思議だ。

全く違う性格だからこそ気付かせてもらえることや、見えてくるものがある。

“同じ”を共有し合うことも楽しいけれど、

“違い”を尊重、共有し合えることも楽しくて、ありがたくてたまらない、そう思う。

 

半分夢色混じりだった互いの話が、現実味を帯びてきた頃、

お店おすすめのデザートが運ばれてきた。

その中のひとつに、バナナをたっぷりと使ったものがあったのだけれども、

本来のバナナには小指の先ほどの大きさの種が

チョコチップクッキーかと言えるくらい沢山詰まっているのだと

お店の方がカタコトの日本語で話してくださった。

美味しいデザートを口に運びながら、

じゃぁ、私たちが普段食べているバナナは品種改良した種無しバナナなんですね、

と返すと「チガウ、チガウ。ソレハチガイマス」と店員さん。

 

現在、私たちが食べているバナナは、

たくさんの種が詰まった本来のバナナが突然変異したものなのだそう。

種がないバナナはとても食べやすいことから、

当時の人たちが種無しバナナを大切に育ててきたおかげで、

今の種無しバナナがある、ということだった。

そして、東南アジアには、

今でも種が詰まったバナナを食べることができる地域もあるという。

物心ついた時からバナナの種の存在など気にしたことがなかった私にとって、

「バナナは種がないフルーツ」というのが常識だったはずなのだけれども、

目の前にある真はシンプルで奥深いもののようだ。

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たい焼きで時間旅行。

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近所にサクッとした食感のクロワッサン生地が特徴のたい焼き専門店があるのです。

以前は、昔ながらのたい焼きと、

冷やして食べるたい焼きを売っていたはずなのだけれども……。と思いつつ、

クロワッサン生地の上に垂らされたキャラメルソースの甘い香りに後ろ髪を引かれながら

私は、お店の前を通り過ぎました。

 

たい焼きは、明治時代に江戸にあった、ある和菓子屋で生まれたお菓子なのだそう。

もともと、その和菓子屋では、今川焼きを売っていたようなのですが、

今川焼きの売れ行きが思わしくなかったため、

店主は今川焼の型に亀の甲羅模様を使ってみたのだといいます。

しかし、残念なことに、こちらも当たらなかったため、それならば、これでどうだ!と

鯛の形で焼き上げてみたところ、

これが大ヒット商品となり、日本中に広がり現在に至ります。

 

当時から鯛は縁起物として人気があったそうですが、

本物の鯛は、庶民が簡単に手にすることが難しい高級魚。

いわば、憧れの魚です。

同じ鯛は鯛でも、魚とお菓子では随分と味が異なるのですが、

「たい焼き」という形で憧れの鯛を味わえるなんて、と

「おめでたいもの」や「縁起物」好きな日本人の心は、

店主に、いや、たい焼きにしっかりと掴まれたということなのでしょう。

今では、外側の生地も、中身もバリエーションが豊富で

その日の気分で和風、洋風などを選ぶこともでき私たちを楽しませてくれています。

そのようなことを思っていたら、何だか無性にたい焼きが食べたくなり、

私は、たい焼き店へと引き返すことにしました。

 

今の私たちは縁起を担いでたい焼きを買う、ということは少ないと思うのですが、

お祝いごとなどに鯛料理が並ぶと、やはり「おめでたい」気分になるのではないででしょうか。

日本人の鯛好きは今に始まったことではないのです。

縄文時代の貝塚から鯛の骨が発見されており、

既にこの時代から日本人は鯛を食していたといいます。

鯛と日本人は随分と長いお付き合いを重ねてきているのです。

そう思うと、DNAにも何らかの情報が組み込まれていても

おかしくないような気さえしてきます。

 

歴史上の人物で鯛絡みのエピソードがある人と言えば、徳川家康でしょうね。

彼の死因の真偽は定かではなく、いくつかの説があるのですが、

最もよく語られているのは、鯛の天ぷらを食べて食あたりを起こしたから、というもの。

鯛の骨が喉に詰まってという俗説もあったでしょうか。

このようなエピソードが消えることはないのですが、

現在の死因の定説では、徳川家康の病状を記した徳川実記というものに記された

当時の彼の症状から胃がんではないかと言われいます。

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「あの徳川家康も、鯛だけでなく、たい焼きも食べていたのだろうか。

さすがにクロワッサン生地のたい焼きや、

たい焼きの中にパフェが入ったものは知らなかったでしょうけれど。」

そのようなことを思いながら甘い香りをまとった、たい焼きをいただいた。

何かしらの「鯛」に触れる機会がありましたら、

今回のお話しをちらりと思い出していただけましたら幸いです。

ここへ足を運んで下さった皆さんの1日が良き日となりますように☆彡

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市販されているお薬の副作用に悪夢!?

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以前、友人から市販薬の説明書の画像が送られてきたことがあった。

「見て!お薬の副作用の欄に「悪夢」って書いてあるの」というメッセージと共に。

ご丁寧に、「悪夢」と記載されている部分は黄色いマーカーライン付きだった。

お薬の副作用と言えば、倦怠感や吐き気、めまいや眠気、痒み、といったものが思い浮かぶのだけれども、

そのような症状の中に、「悪夢」が記載されているの?と、私は少し驚いた。

もしや何かの冗談なのでは?という可能性が頭を過り、そう尋ね返してみたのだけれど、正真正銘、市販薬の使用上の注意書きに「悪夢」と記されていた。

友人はアレルギー性鼻炎の症状に悩まされることがあり、時々、その市販薬を服用しているのだそう。

私は、その副作用で悪夢を見たの?見るの?と尋ねてみた。

幸い、友人は悪夢の副作用に悩まされてはおらず、私は胸を撫で下ろした。

友人も私と同様に、副作用に「悪夢」というものがあるのだということに驚きを隠せずにいるのだなと思っていると、

「悪夢を見たらどうしよう、どうして悪夢を見るの?専門家の人に聞いてみてよ、コンシェルジュ。」と茶目っ気たっぷりにアピールする友人。

友人に言われたからという訳ではなく、私自身も少々気になったため、数人の専門家に尋ねてみることにした。

すると、詳しいことは分からず、推測の域を出ないけれど、それほど心配するような症状ではないという前置きのもと、このようなお話を聞くことができた。

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お酒を飲んだり、夜更かしが続いたり、体調が悪かったり、というような状況下では

その人のレム睡眠とノンレム睡眠からなる睡眠パターンが崩れてしまい、悪夢を見ることがあるけれど、それと似ているのではないかと。

アレルギー性の鼻炎で体調が辛い状態でお薬を服用すると、鼻炎の辛さとお薬の作用が重なり、体が、その人の通常パターンとは異なる状態に置かれ、睡眠の質が変わります。

これが原因となり、悪夢を見る可能性があるのかもしれない、というお話だった。

もちろん、推測の域は出ないのだけれども。

 過剰に気にするような事ではなかったけれど、市販薬の副作用に「悪夢」と書かれていることは、それほど珍しいことでもないのだとか。

そう言われて、ふと思ったのだ。

何に効くかということを購入時に確認したあとは、1回に飲む量や1日に飲む回数を確認するだけで、副作用の記載までしっかり読むことは少ないかもしれないと。

それが、子どもの頃から見慣れている常備薬のようなものであれば尚更だ。

きっと、日本という国が、安全なものを安全な状態や状況で手に入れることができる

ありがたい環境だということなのだろう。

それにしても、副作用に「悪夢」という表現。

この、腑に落ちきらない妙な気持ちは何なのだろうか。

そのようなことを思いながら友人から送られてきていた画像を眺めた。

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損失余命という言葉をご存知ですか。

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少しずつ目にする機会が増えてきたように感じる「損失余命」という言葉。

インパクトのある言葉なので、

言葉のイメージによって本質が見えなくなってしまったり、

落ち着いてものごとを見ることができなくなってしまうこともあるかもしれません。

この機会に、私と一緒に「損失余命」という言葉の意味や、

この言葉が使われる状況下での情報の見方などを、さっくりと掴んでおきませんか。

ご興味ありましたら、お付き合いくださいませ。

 

|損失余命とは?

これは、WHO(世界保健機構)をはじめとする、

様々な国の医療機関や医療団体で使われている言葉で、

日本でも目に、耳にする機会が増えてきている言葉のひとつです。

具体的には、ある食べ物を食べたとき、

食べた人の寿命がその食べ物を摂取したことによって、

どれくらい短くなるのかということを数値化したものです。

この数値は、これまで世界中で研究されてきた健康被害のデーターをもとに計算されています。

 

|損失余命という数値の見方、注意点

損失余命を表す際によく登場するものの中にタバコがあります。

タバコを1本吸うと寿命が12分短くなると言われています。

タバコが体に良くないということは誰もが知っている情報ではありますが、

食材にも、このような損失余命という数値が出されています。

「○○を、このくらいの量、摂取すると寿命が○秒、○分短くなる」というものです。

損失余命が出された食材の一覧なども公表されているようですが、

私はここで例として挙げることは控えたいと思っています。

と言いますのは、この損失余命というものは、

体に与える健康被害の部分だけを数字にしたものです。

食材には私たちの体に必要な栄養素も含まれているため、

損失余命を見ただけで「食べない方が良い」と判断するのは安直すぎる気がします。

また、この数値も「食べない方が良い、食べてはダメ」という意味で公表されているものではないことも頭の片隅に記憶しておくとよいのではないかと思います。

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もし仮に、損失余命が長いものを口にしないようにしたとしましょう。

栄養素が不足し、何らかの病気を誘発することもあると思うのです。

ですから、損失余命という情報を目にした際には、

そのような要素も含んでいる食材だということを知り、

危険要素を減らすことができる調理方法があるのであれば、

その調理方法に切り替えて体内に取り込まれる危険を減らすのも方法のひとつです。

ある食材が好物過ぎて過剰摂取気味だという自覚があるのであれば、

適量を楽しむようにすることで対策できるかと思います。

体に良くないけれど、それを食べることで心身が満たされて、

明日の活力に繋がるということもありますので、

その時には、翌日には身体に優しいものを口にして帳尻を合わせる、

ということも方法としてあるのではないでしょうか。

 

よくお話しさせていただくことではありますが、

過剰摂取をしなければ大きな問題はない食材が多いようですので、

欲しい栄養素が含まれていたとしても過剰摂取になりがちな「ばっかり食べ」は避けて

バランスを取りながら、組み合わせを変えるなどして

楽しく召し上がるようにすると良いのではないかと私は感じています。

食材も人と同じで、

「長所と短所」、「得意なことと苦手なこと」があると思うのです。

その両方を知った上で、私たちがどう接していくか。

そのような視点で情報をみることができたなら、

情報に踊らされることも怯えることも、

何も食べられないじゃないと失望するようなことも無いような気がします。

丁寧な暮らしを重ねるための、何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。

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最後のワインと目ヂカラに怯んだあの日。

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お料理などを取り分けていて最後に少しだけ余った分をどうするか、

誰のお更に乗せるかなど、ちょっと気になることはないだろうか。

春先だっただろうか。

10年振りくらいに顔を合わせた方々とワインをいただいた。

その時に向かいの席の方のグラスに

ボトルに残った最後のワインが注がれているのを目にして思い出した。

 

日本であれば、「どうぞ、どうぞ」なんて言い合いながら遠慮し合う、

というような光景が多いような気がするのだけれど、

このようなシチュエーションでの対応も国によって異なったりする。

当時、私はフランス滞在中にお世話になっている方々とテーブルを囲んでいた。

お水を注文するよりもお酒を注文した方が安い国というだけあって、

皆のグラスが瞬く間に空いていくように感じていた。

そして、ボトルの残りが少なくなると、

最後のワインは誰のグラスに注ぐ?と誰かが言い出すのだ。

それに対して、私にちょうだい。

私だって欲しいわ。

僕は要らない。

私も要らないわ。

このように全員が話を中断させて律儀に返答していたのだ。

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その場は、フランス語と英語を使った会話が行われていたのだけれど、

苦手なフランス語部分の大半を聞き流していた私は

そのやり取りの本当の意味を知らずにいた。

そして、日本人らしいと言って良いのかは分からないけれど、

「最後のワイン、柊希は?」と言われた時には、

「私は結構です、どなたかどうぞ」「どなたか、お先にどうぞ」といったような返事を繰り返していた。

内心、「(そんなこと、毎回確認せずにグラスの残量を見て注げばいいのに)」などと思いながら。

 

すると、どのような場にも一人はいるのだ。

ものすごく空気が読める人、いや、観察眼と推察に長けた人が。

「柊希は、このやり取りの意味を知ってる?」と尋ねてきた。

聞き流していた部分に関係があったのかしら?と少々ハラハラもしたのだけれど、

腹をくくって、「知らない」「分からない」と答えた。

すると、ある方がとても分かりやすい英語でフランスに古くからある言い伝えを教えてくれた。

 

まず、皆のグラスにワインを注いでいて、残りが少なくなってきたら、

その場にいる皆が「ワインの最後の一滴を誰のグラスに注ぐか」ということを気にするのだと。

これは、「La dernière Goutte(ラ・デルニエ グットゥ)」と呼ばれる言い伝えで、

日本語で言うと「最後の一滴」という意味の言葉になる。

この言い伝えは、最後の一滴をグラスに注がれた人は、

独身者であれば「年内に結婚する」、

既婚者であれば「年内に子どもを授かる」といわれているのだそう。

だから、大勢で食事をするときには、このような言い伝えを楽しむこともお約束なのだとか。

ただ、最後の一滴は誰もが欲しかるもの、とも限らないようでリアクションも様々なのだそう。

恋人同士が同席している場で、

片方は最後の一滴を欲し、片方は最後の一滴を遠慮する。

というようなことも稀に起こるのだとか。

私はこの話を聞き、「La dernière Goutte(ラ・デルニエ グットゥ)」は、

楽しいパーティーの中に忍ばされた、ちょっとしたスリリングな時間帯だと思うのと同時に、

「最後の一滴」という銘柄のワインがこの言い伝えと共に日本の市場に登場したら、

婚活パーティーなどで人気のお酒になるのでは?と思った。

そのようなことを思っていると、

その場にいる皆の熱い眼差しと共に「改めて、柊希は最後の一滴、いる?」と尋ねられた。

彼らの目力に魔術的なイメージを膨らませてしまった私は、

「私は結構です、どなたかお先にどうぞ」と答えるのだった。

ワインを召し上がる機会がありました際には、

「La dernière Goutte(ラ・デルニエ グットゥ)」を思い出していただけましたら幸いです。

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夏の日差しが似合うサルスベリから思い出すのは、どのストーリー?

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この季節、様々な場所で見かけるサルスベリ。

白やピンク、薄紫色に、真っ赤なものまであり、夏の日差しにとてもよく似合う色をしている。

きっと、子どもながらに、この時季の景色に映えると感じたのだろう、

物心ついたときにはサルスベリという植物の名を知っていたように思う。

鮮やかな色に魅せられていると、時折吹く風に枝を撓らせながら揺れるサルスベリ。

小花がぎゅっと集まった状態ごと、ゆさゆさと揺れる様は、

どこか楽しげにも見えて見惚れてしまうことがある。

サルスベリには様々な花言葉があるのだけれど、その中に「雄弁」というものがある。

枝先に小花が集まっている様子が華やかで堂々としているため、

「雄弁」の花言葉が生まれたと言われることもあるのだけれど、

サルスベリの幹は振動を伝えやすい性質のため、

幹を擦ったりして振動を与えると枝先の花がゆさゆさと揺れるのだそう。

この様子が雄弁に語っているようにも見えるという説もあるのだとか。

 

先日、たまたま通った道で私好みのマゼンタ色をしたサルスベリを見かけた。

揺れる姿を目にし、羨ましいわけではないのに、楽しそうでいいなと相も変わらず思ってしまった。

サルスベリの幹は白っぽく、手触りがとても滑らかでつるつるしているものだから、

猿も滑ってしまう木という理由から「サルスベリ」と名付けられたのだとか。

安直すぎやしないかと思ったりもするのだけれど、

サルスベリの別名、「百日紅(ひゃくじつこう)」という名の背景には、

悲しいラブストーリーが残されていた。

 

昔、旅の途中だったある国の王子が通りすがりの町の竜神を退治し、

竜神への生贄として捧げられていた娘の命を救ったのだそう。

王子と娘は恋人になったのだけれども、王子は旅の途中だったこともあり、

二人は、100日後の再会を約束します。

しかし、もうすぐ100日を迎えるというタイミングで娘は他界してしまいます。

その後、しばらくしてから娘のお墓から紅色の花が咲く木が生えてきたといいます。

この出来事から、村人たちはこの木を「百日紅(ひゃくじつこう)」と名づけたのだとか。

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大切な人をいつまでも身近に感じていたいという人の想いが、

花木に宿るのか、人が無意識に宿してしまうのか、

このようなストーリーは昔も今も変わらず生まれるものなのだなと思う。

このような悲しいラブストーリーによって生まれた

サルスベリの別名、「百日紅(ひゃくじつこう)」なのだけれど、

サルスベリは、初夏から秋までの100日間ほどの長い間楽しむことができる花木であることから

「百日紅(ひゃくじつこう)」と呼ばれていたりもする。

ドラマティックなストーリーを好むか、

ドライなリアルを好むのか、

名付け人によって花木の名も色々、のようだ。

夏から秋の日差しに似合うサルスベリ、

見かけた際にはお好きなストーリーをチラリと思い出していただけましたら幸いです。

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レタスやキャベツのお供に、爪楊枝はいかがでしょうか。

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自宅では生野菜サラダをたっぷりと頬張るため、野菜室には様々な野菜を常備しております。

しかし、急な食事の予定が続いてしまうこともあり、常備している野菜の大半を消費できないという状況に陥ることもしばしばです。

先日も、そのような状況だったため、これは、全てのお野菜をジューサーに投入して朝食のスムージーにしてしまうしかないかしら。

と、そのようなことを考えながら野菜室を開けたのです。

すると、そこにはシャキシャキ感を解き放った野菜があり、「あー、やっておいて良かった」と思ったのです。

今回は、お野菜の保存方法のお話を少し、と思っております。

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野菜室に転がっていたのは、私が特に、楽しみにしていたレタス。

レタスは、フレッシュなままでも火を通しても美味しい上に、ストレスを解消してくれたり、動脈硬化を予防してくれたり、女性ホルモンのバランスを整えてくれるなど、サプリメント級のお野菜のひとつです。

だけれども、冷蔵庫で3日も経てば、しんなりとし、色も赤茶色に変色し始めるため、美味しく食べ切るためにはスピードが勝負、という点が少々残念なところ。

一般的には、芯をくり抜いたところに濡らしたキッチンペーパーを詰めると良いとか、芯の底に包丁で切れ込みを入れておくと良いなどとも言われておりますが、毎回キッチンペーパーを詰めるのは少々面倒です。

そして、芯の底に包丁で切れ込みを入れる保存方法も、それほど日持ちが良くなるわけでもないように感じておりました。

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そうそう、ヨーロッパではレタスの芯に濃い目の水溶き小麦粉を塗っておくご家庭もありましたけれど、これも手間がかかる割に、日持ちが良くなる印象はありませんでした。

ですからワタクシ、変色した部分を食べても害はないようだけれども、そのような状態になったレタスは、見た目や食感の悪さから口にしなくなっておりました。

このような状況を、頭の隅の隅の方で何となく気にしていたのでしょうね。

数年前に足を運んだ飲食店でレタスの芯に爪楊枝を刺す光景が目に留まりました。

始めは、包丁で切れ込みを入れてレタスの成長点を破壊して、レタスの鮮度を保つ方法と同じようなことなのだろうから、結果も大したことはないものだと決めつけておりました。

しかし、なんとなく気になりワタクシも見よう見真似で、レタスの芯を少しだけ包丁で切り落とした面に爪楊枝を4本突き刺し保存してみたのです。

すると、3日程で傷み始めていたレタスが1週間から10日程鮮度を保てるようになったのです。

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ちょっとした感動を手に入れたため、その仕組みについて調べてみたところ、レタスの成長点は芯の先端近くにあるということが分かったのです。

包丁で切れ込みを入れることも間違いではなかったけれど、先端に届かなかったため、レタスの成長(傷み)を食い止めるまでには至らなかったということのようでした。

もちろん、レタスの葉を剥がす際に、うっかりレタスの葉を傷付けてしまった場合などは、その部分が赤茶色に変色してしまうのですが、そうでなければ、爪楊枝を刺して袋に入れた状態で保存をすれば、葉の部分は1週間から10日程、シャッキシャキを保つことができます。

更に保存期間を延ばしたい場合や時間に余裕がある方、きちんとさんは、爪楊枝を刺したあと、キッチンペーパーで包み、袋に入れて保存すると良いようです。

私は、すぐに食べ切ってしまうこともありキッチンペーパーVer.は未確認ですが、更に長持ちさせられるように感じています。

この方法は、キャベツや白菜にも応用可能。

農家の方々が大切に手間暇かけて育ててくださったお野菜たちです。

最後まで美味しくいただきたいですよね。

まだ爪楊枝保存を試したことがない方は、レタスやキャベツのお供に爪楊枝、いかがでしょうか。

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あなたのお家の除湿剤、うっかり宝の持ち腐れになっていませんか。

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突然ですが、皆さんは除湿剤を使われますか?

わたくし、お肌はぷるっと潤わせておきたいのですが、

お気に入りのお洋服を収納しているクローゼットの中や収納庫などは、

カラカラッとさせておきたいのです。

その思いが若干強すぎるのか、

商品には、このスペースに対して本品1個というような目安が記載してありますが、

規定量以上の除湿剤を各スペースに配置しております。

私が主に使っているものは、プラスティックケースに入ったビッグサイズのもの。

とてもリーズナブルなのに、除湿の効果が高く、

取り替えの際に、中に溜まった水分を見たときに感じる妙な達成感が癖になっております。

ゴミが増えてしまう点は少し残念なのですが、

今のところ、その妙な達成感欲しさにビッグサイズを愛用中です。

 

半年に1回ほど除湿剤の総替えをするのですが、

とても嵩張ってしまうため、普段はネットで購入しています。

しかし、その日は偶然立ち寄ったホームセンターのようなところで、

使い易そうなそれを見つけてしまい、カゴの中に大量に入れておりました。

豪邸に住んでいるわけでもないのに、この量、本当に必要なのかしら?

そのようなことを自分に問うのは、ちょっとした恥ずかしさから。

問いを振り払いつつ、クローゼットを想像しながらカゴに商品を投入します。

すると、少し離れた所に「除湿剤、正しく置けていますか?」と書かれた

手書きのポップがゆらゆらと揺れていたのです。

置き方にそれほどこだわったことがなかった自分に気付き、

ポップの前へと移動してみると、このようなことが書かれておりました。

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クローゼットや押し入れ、シューズクローゼットなどの湿気は、

下に溜まる性質があるため除湿剤は下に置くことで、

その効果を最大限に生かすことができるのだとか。

ただ、2段に区切られている押し入れなどの場合は、

上段内での一番下と下段内での一番下に置くと良いのだそう。

この時に、よりしっかりと除湿したい場合は一番下の奥の方にも除湿剤をおくことで

満遍なく除湿することができるようです。

クローゼットの中の除湿と言うと、ハンガータイプの除湿剤もありますが、

これは、お洋服そのものに含まれる湿気を取る効果はあるけれど、

クローゼット内全体の除湿をしたいのであれば床置き型との併用がおすすめだと。

 

シューズクローゼットの場合は、

雨で濡れたままの靴をそのまま収納することは無いかと思いますが、

濡れた靴、汗を大量に吸った靴は、しっかりと乾かして収納するのが大前提。

この時も除湿剤は一番下に置くと良いのだそう。

ただ、除湿と消臭、芳香など、異なる効果が同時に得られるタイプのものを使う際には、

得たい効果の優先順位によって置き場所が変わってくるとのこと。

 

湿気とニオイは共に下へ溜まるため除湿剤や消臭剤は一番下に。

一方、芳香剤のように香らせることを目的にしている場合は、

出来るだけ上に置くことで満遍なく香らせることができるため、

除湿、消臭、芳香アイテムを使用する場合は、

一番欲しい効果によって置き場所を変えることで、

アイテムの効果を最大限に引き出すことができるのだそう。

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私の場合は、配置し過ぎていたことが功を奏し、

正しい場所に置けていないという状況ではなかったものの、

やはり少々無駄に置きすぎているようでした。

思い返してみると、取り替えの際に、中に水分が溜まっておらず

あの達成感を感じることができずに肩を落とすこともありましたが、

それらは全て中段と言えるような高さに配置しておいたものでした。

除湿剤は適量を適材適所に配置するだけで、

こちらが求める以上の仕事をしてくれるようです。

除湿剤へ寄せる信頼も大切なのですね。

皆さんも、うっかり宝の持ち腐れになっていないか、

ご自宅の除湿剤の位置を確認してみてはいかがでしょうか。

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