ある日、日本を観光していた外国の方に尋ねられた。
どうして日本には世界中の料理があるのだ?と。
返答に詰まった。
即答した心の声は「(あるから、ある)」だ。
メディアなどでも取り上げられることがあるけれど、
日本人の器用さと一つの事を丁寧に突き詰める職人気質と真面目さといった国民性がそのようなところでも発揮され、
外国へ行かずとも本格的な他国料理を味わう事ができるのだろう。
何ともありがたいことだ。
そう言えば、日本のパン屋さんも独特なのだとか。
イギリス食パンの横にフランスパンといったように各国のパンが並び、
自国の主食である白米を使った米粉パン、健康志向のパンに、和洋折衷の惣菜パン。
甘くて美味しいデザートパンもあんぱんからデニッシュまで種類豊富だ。
私たち日本人にとっては、当たり前のこの光景も、外国から来た人にとっては「どうしてだ?」と思ってしまう光景だったりもするようだ。
前置きが長くなってしまったけれど今回は、
ここ数年、世界の味が終結していると言われている日本のパン屋さんでも目にするようになった、
ドイツのお菓子“シュトレン”のお話しです。
※日本ではシュトーレンと呼ばれる事が多いようです。
シュトレンは、ラム酒などの洋酒にじっくりと漬け込まれたドライフルーツやナッツが
生地に練りこまれており、
表面にはたっぷりの白砂糖がふりかけられていたり、まぶされていたします。
その見た目は、白い産着に包まれた幼子イエスをイメージしているとも言われています。
日持ちは、シュトレンの素材にもよりますが、一か月以上するのも特徴的です。
食べ方は、クリスマス一か月前くらいからクリスマスを待ちながら、
少しずつシュトレンをスライスして食べていくのです。
日を重ねる毎に、ラム酒とフルーツなどの風味が生地に馴染んでいきますので、
この熟成していく過程を楽しむのがシュトレンの醍醐味でもあります。
しかし、元々はシュトレンに使用する食材はとても高価だったため、
大切に少しずつ味わっていた事がこの食べ方の始まりでは?とも言う説もあるのだとか。
シュトレンには色々な種類があります。
と言いますのは、ドイツの伝統的なお菓子だけあって、
分量や呼称に法律で定義がつけられているものもあるそうなのです。
私自身は、まだ数種類しか試したことがないのですが、好みのもの、そうでないもの、とありました。
シュトレンは中々奥が深いお菓子のようです。
今年はまた違ったシュトレンを楽しんでみようかしら、と思っているところです。
日本に居ながらにして、海外の伝統的な味やしきたりにも触れられるって幸せなことですね。
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