秋や冬、寒い季節になると、何となく「人が恋しい」気持ちが胸の奥に芽生えるのはどうしてなのでしょうね。
寂しいときの表現として「心が寒い」という表現がありますが、私たちの心に「寂しい」という感情がわくとき、私達の体感温度は実際に下がっているらしいのです。
少し前に目にした研究発表の中に、カナダ、トロント大学の心理学者ジェフリー・レオナデリー博士の研究チームが実験によってそれを証明した。とありました。
その実験というのは、学生たちを2つのグループに分けて部屋に入れます。
1つ目のグループには、仲間外れにされたときのことを想像させました。
2つ目のグループには、仲間に加わっているときのことを想像させました。
想像してもらっている最中の学生たちに、空調メンテナンス業者人から空調の故障のお知らせを入れます。
そして、学生たちに「部屋の温度」を尋ねるというものです。
実際に使用されている部屋の温度は一定に保たれているのに、とても興味深い反応が返ってきたのです。
仲間はずれにされた事を想像している学生たち全員が、仲間に加わった時のことを想像している学生たちよりも、低い室温を答えたらしいのです。
このことから、心と体は繋がっていると言われますが、実際に私たちが心で感じること、体で感じること、頭で考えること全ては繋がっていると言う事が証明された内容でした。
私たち人間は「寂しい」と感じる時、心だけでなく、体感でも「寒さ」を感じているのです。
私たちが人やペットとの繋がりの中で優しさなどの愛情を感じて心が穏やかでいる時、私たちの体感温度は上がっているということなのかもしれません。
知らず知らずのうちに人やペット、自分以外に温もりを求めてしまうけれど、自分から温もりを与えられるようになると、自分の心がもっと温かくなるのかもしれませんね。
そう言えば、免疫力は体温に関係していると言われています。
体温が1℃上がると免疫力は5~6倍にアップ。
体温が1℃下がると免疫は30%ほど低下するのだとか。
「体を冷やしてはいけない」というのには、色んな意味が含まれているのかもしれません。
いつでも心も体もぽかぽか温かい状態でいたいものですね。
それにしても、世の中には色々な事に注目して研究してる人がいるのだなぁと感心してしまいました。
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