あの日の私は、友人へ贈るお花を探していた。
スタイリッシュな雰囲気のアレンジメントがいいのだけれど、友人宅のリビングを想像すると、スタイリッシュさだけではなく、温かみも感じらるものがいい、と思いながら。
しかし、この2つのイメージの融合は塩梅が難しい。
わがままな感覚であろう事は自覚していたのだけれど、「これを贈りたい!」と思えるものに、なかなか出会えずにいた。
そのような時に出会ったフラワーアレンジメントが、ニコライバーグマン氏が出がけているものだったのだ。
彼が手掛けるフラワーアレンジメントは、スタイリッシュさの中に温かみが感じられる、正に私が探していた雰囲気。
友人のイメージにもぴったりで、出会った時には私の心も弾んだ。
彼は世界中で名が知られているフラワーアーティストだという事を知った私。
気になる事は直ぐに調べてしまうたちなので、直ぐに彼の手掛けた作品を探しはじめた。
知名度高いアーティストというだけあって、様々な形で彼の作品を見たり、触れたりすることができた。
その時、ふと思ったのだ。
彼の作品はスタイリッシュなのに、どうして日常に寄り添うような感じの温かさのようなのもが感じられるのだろうかと。
彼の作品ではなく、彼の感性のルーツに触れてみたくなったのだ。
彼はデンマーク生まれで、自国で花や園芸を学んだ後、父の仕事の縁で日本の園芸植物の輸入業者を訪ねて来日したという。
その時に日本に魅せられ、そのまま日本に移住する道を選んだのだそう。
国境を越えて活躍する人と言うのはバイタリティがある方が多いけれど、彼はこれだけに留まらなかった。
日本に移住した後、街の一角にあるお花屋さんで修行を積み、世界で名が知られる有名なフラワーアーティストになった、とのことだった。
初めから優遇されたり、華やかな環境で花に触れていたのではなく、街のお花屋さんから彼の一歩が始まっていたのだ。
彼は、あるインタビューでこのような事を話していた。
大きく二つのことを学びましたね。一つはコツコツとがんばる姿勢ですね。最初は普通の花屋さんで、他の日本人スタッフと同じように、新人として仕事を始めました。日本はなんでも最初が厳しい。朝早くから休みもなく、労働時間も長い。けれども今となっては、仕事に集中する日本人のワーキングスタイルは、今の自分の基礎となっています。だから今でもがんばれるし、夢じゃないかと思ったことも、コツコツ続けていけば実現する。それが今のニコライ・バーグマンにつながりました。今でも「がまんする」という言葉をよく使いますが、つらいことではなく、夢につながる努力を表す言葉だと思っています。
写真がなく、この文章だけを見ると日本の国民性がそのまま出ている、日本人らしい感覚だと感じる方も多いのではないだろうか。
私はこの文章を目にした時、彼は本当に日本に魅せられたのだなと妙に腑に落ちた事を覚えている。
彼のお店では、お花だけではなく、彼がデザインしたアイテムを購入出来たり、カフェで北欧のお料理を楽しむ事ができたり、お花と共に日常を楽しむ事もできる。
実店舗へ行くことができなくてもオンラインショップや、各種ブランドとのコラボレーション作品、ホテルなどにあるディスプレイなどでも彼の世界を楽しむことができるため、
彼の手から生まれる北欧と和の融合の世界、機会がありましたら覗いてみてくださいませ。
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