皆さんあまり口には出さないけれど、
人前で骨のあるお魚を食べる事を躊躇うことは結構あるようですね。
最近は一回で完結する単発のマナー講座を受けられる
大人の女性が増えているらしいのですが
意外にもお魚の食べ方を気にされている方が多いのだとか。
日本食はお箸のみなのでナイフのように切り裂くことができませんし、
骨が残るお魚の場合は、
食べ終わった後のお皿を見れば食べ方が分かってしまうため
お魚に苦手意識を感じられることがあるようなのです。
また、スーパーなどでは小さなお子様用に
骨をできるだけ取り除いた下処理済みのお魚などがあります。
安全なだけではなくゴミも少なく済むことから、
お子様用としてではない需要も増えているようなので、
骨のあるお魚を食べる機会そのものが減っているのかもしれません。
お家でも外食の時でも、
お魚を食べたい!と思った時には思いっきりお魚を堪能したいですよね。
上手に食べられるあなたも、少し苦手意識があるあなたも、
この機会に、ご家族と一緒に骨のあるお魚の食べ方チェックをしてみてはいかがでしょう?
お魚によっては基本の食べ方に、そのお魚の特徴にあった小技をプラスすることで
更に簡単にきれいに美味しく食べる事ができますが、
今回はどのお魚にも共通する食べ方をご紹介します。
【食べ終えた時のお皿をイメージしておきましょう】
細かい色々も大切なのですが、その細かい事にとらわれすぎて
まとまりがつかなくなったり、食べた気がしなくなる事もありますよね。
焼き魚、煮魚などをきれいに食べる時のコツは、
食べられない部位、頭、骨、背びれ、尾ひれ、人によっては皮や肝、血合いなど、
使い終えたスダチやお飾りなどをコンパクトにまとめて隅に置くことです。
食べ終えた時に自分のお皿がこの状態になるようにイメージしながら食べ進めると
肩の力を抜いてお魚を味わうことができるのではないでしょうか。
【食べる順番とコツ】
1、お魚を食べる時には手を使う場面が度々あります。お懐紙を持っていれば色々と便利なのですが無い場合は、食べ始める前に紙ナプキン等を手元に準備しましょう。
※お懐紙については過去記事をどうぞ
食べている途中で口の中に魚の骨が入ってしまった時は、お懐紙や紙ナプキンで口元を隠しながら、手ではなくお箸を使って取り出しましょう。
2、食べる時に邪魔になってしまう背びれや尾ひれは先に取って隅へ寄せ、食べやすい環境を整えます。
3、お魚のえら骨の右にお箸の先を軽く刺します。次に刺したお箸をお魚の中央部分を背骨に沿ってしっぽの付け根まで、横線を引くように動かしてお魚に切れ目を入れます。
お魚の身がほぐれやすくなったところで、表面の奥の背側の部分を左から右へ
お腹側も左から右へ向かって食べすすめます。この時、肝や皮などが苦手な場合はその都度背びれや尾ひれを置いた場所に寄せておきましょう。
4、次にお魚の裏側を食べるのですが、この時、お魚はひっくり返さずに骨を外して、表側を食べたときと同じように奥の背側の左から右へ、お腹側の左から右へ向かって食べ進めます。骨を外す時は、頭をお懐紙や紙ナプキンで押さえて、えら骨横あたりの骨の下にお箸の先を忍ばせて横に滑らせると背骨を外すことができます。
【どうして?】
お魚をひっくり返した方が食べやすいように感じますが、
「ひっくり返す」というのは縁起が悪いので忌み嫌われていたことが由来のようです。
【もうひとつコツ】
お魚を美味しくいただいて、食べない部分は隅にまとめたけれど、
何だかきれいに見えないな、という時のちょっとしたコツを。
お魚の骨が長くて柔らかい秋刀魚のような場合は、
食べ進めている途中でお魚の頭などに触れるタイミングがありますよね。
その時に骨をポキッと二つ折りにして更にコンパクトにしておきます。
コンパクトになれば見た目のすっきり感もアップします。
そこにお飾り用の葉っぱなどがあった場合は、一番上にお飾りの葉っぱを乗せます。
ちょっとした目くらましになって食べたあとのお皿がきれいに見えます。
一番大切なのは、お魚を美味しくいただくことです。
だけれども、せっかく目の前に出てきてくれたお魚なので
きれいに美味しく食べてあげて下さいませ。
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