お客様を自宅へお迎えする時、
気心知れた家族や友人であれば
多少の甘えもご愛敬ですむけれど
たまに会う親戚だったり、
お子さんの新学期が始まって
家庭訪問で先生がいらしたりする場面では少し背筋が伸びるものだ。
男性であれば当日は、ドシッと構えておけばいいけれど、
女性はそういう訳にもいかなくて事前準備も必要です。
当日だってお喋りを楽しんでいても意識の半分は、
お茶のタイミングや頂いた手土産のことや
あれやこれやと気を使うことが多いものです。
最初から最後まで気を張っていたのでは、
お客様へもその空気感が伝わってしまいます。
お客様にもリラックスして過ごしていただくためにも
お迎えする時の大きなポイントだけ、おさらいしておきませんか?
【玄関で】
お客様も多少緊張されていることも多いので
うっかり靴を揃え忘れて上がられることもあります。
その場で揃えてしまいたくなりますが、
それをしたのでは、
お客様に「揃えていませんよ」と言ってしまうようなもの。
その場はお客様を速やかにお部屋へご案内し、
後でこっそりと揃えておいて差し上げましょう。
【お部屋で】
お部屋にご案内したら、
お茶を準備しなくては、と思ってしまいますが、
お客様もご挨拶や手土産などをお渡ししなければ落ち着くに落ち着けませんし、
タイミングを掴むのは難しいものです。
まずは、ご挨拶を交わせるような間を
お迎えした側がリードできるといいですよね。
ご挨拶が終わったら、
手土産をいただいた場合は手土産を手にしてから席を立って、
お茶の準備にとりかかりましょう。
この時に、「楽にしてくださいね、楽になさってくださいね」という言葉があると
お客様の気持ちもほっと一息つけるのではないでしょうか。
【お茶をお出しする時】
気心知れたお客さまであれば
急須やポットを一緒にお盆に乗せて持っていっても構いませんが
お茶は別室で淹れたものをお出しするのが基本です。
そして、この時もお客様のテーブルにお盆を乗せるのは失礼にあたります。
畳のお部屋であれば、
畳の上にお盆を置き、両手でお茶をお出しします。
洋室の場合は、事前にサイドテーブルを用意できるようであれば
サイドテーブルの上にトレイを乗せてお出しします。
サイドテーブルが無い場合は、
出来るだけテーブルの隅に置いてお出ししましょう。
【いただいた手土産】
今はいただいた場で包みを開けて
直接お礼を伝える事がお作法だという流れもありますが、
目上の方の場合は失礼にあたる場合もまだまだ見受けられます。
この様な時は、お作法に捕らわれずに
相手の立場や気持ちやお人柄、その場の雰囲気などを考慮して
思いやり重視で判断をしましょう。
お菓子などをいただいた場合は、
事前に用意しておいたものと一緒にお出しして
「おもたせですけれど、とても美味しそうだったので、
一緒にいただきたくて」などの言葉を添えましょう。
「おもたせですけれど」とだけ添えるよりも、
いただいた手土産を気に入ったこと、
一緒に味わいたいこと、などあなたの感じた気持ちもプラスすることで
温かい気持ちをサラリと届ける事ができます。
【お見送り】
お見送りは玄関までというのが一般的なお作法ですが
目上の方をお見送りする場合は玄関の外まで、
マンションであればエレベーターにお乗りいただいてドアが閉まるまで、
お送りすると丁寧かと思います。
しかし、実は気を付けたいのはこの後です。
おもてなしも無事に終わってホッとすると気が緩んで
すぐに玄関ドアにガチャッと鍵をかけたり、
夜であれば外の灯りを消してしてしまいそうになりますが
しばらくは我慢です。
楽しい時間を過ごしても、追い出されたような気持ちにさせてしまいますし、
忘れ物をして戻ってこられた場合を想定して、
声をかけやすい状況を保っておいて差し上げましょう。
普段から皆さんもご存知な事ばかりだと思うのですが
時々、簡単におさらいしておくだけで
その時が来た時に「ああしなくちゃ、こうしなくちゃ」ではなく
気持ちにちょっぴり余裕が持てるのではないでしょうか。
今回も私のおさらいに、お付き合いいただきまして
ありがとうございました。
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