自分の事を、いつ、どこで、誰が見ているかわからないと言うけれど、本当にその通りだ、と思うようなことがあった。
遠方に住む友人から久しぶりに連絡がきた。
何事だろうとスマートフォンを覗き込むと、「随分と前に撮った画像に、美味しそうにアリゴを食べている柊希が写っていたよ」というメッセージと共に数枚の画像が添付されていた。
こういうシチュエーションで送られてくる画像の大半は残念なものであることが多いことを私は知っている。
小さく深呼吸をした私は覚悟を決めて一枚ずつ開封した。
……、そうそう。
このような展開でいい気分になることはまずないのだ。
程よくアリゴを伸ばし、それを笑顔で口に運んで軽く身悶えている様子がしっかいと抑えられていた。
「(友よ、お願いだからバラ撒かないでちょうだい。そして、いいか私よ!いつ、どこで、誰が見ているかわからないのだ。気を抜くのも程ほどに)」
そのような事を思いながら画像を眺めていたら無性にアリゴを食べたくなった。
アリゴというのは、フランス中南部辺りの家庭料理のひとつで、フランス版のマッシュポテトのようなもの。
このマッシュポテトにはチーズを練り込んで作るため、もちっとしていてコクがあり、糸を引くかのように伸びる特徴があります。
フランスではお肉料理などの付け合わせとして出されることが多いのですが、相性の良いお料理も多く、ハンバーグやウィンナー、グリルしたお野菜、お魚のソテーなどにも合います。
チーズ好きであればつい手が伸びる美味しさです。
日本のフランス料理店でアリゴを見かけることはほとんどないので、私は食べたくなったら自分で作るのですが、我が家のマッシュポテトは「アリゴ」率の方が高いです。
手順も材料もシンプルなので、いつものマッシュポテトをアレンジしたいという方、
フランス版のマッシュポテトの「アリゴ」をトライしてみてはいかがでしょうか?
※最後ににレシピ検索結果のリンク先をご用意しておりますのでお気に入りのレシピ探しにどうぞ。
【材料】
じゃがいも150g
チーズ200g(グリュイエール、モツァレラ、ピザ用チーズなど)
バター100g
牛乳 30cc
にんにく 半欠片~1欠片お好みで
お塩、コショウ お好みの分量
【作り方】
基本はマッシュポテトを作る要領で作ります。
【1】じゃがいもを、お塩入りのお湯で20分ぐらい茹で、熱いうちに皮を取り除いて、裏ごしします。私は電子レンジの茹で機能を使用してお塩は最後の味付けで加えることが多いです。
【2】お鍋にバターと牛乳を入れて弱火で温めます。バターが溶けたところで「裏ごしじゃがいも」と「すりおろしたにんにく」を入れ混ぜます。焦げやすいので慎重にかき混ぜてください。じゃがいもは水分が飛びやすいのでボソボソするような時には牛乳を少しずつ加えてください。ここでお塩とコショウの味付けをしてください。※私はお更に盛り付ける時にブラックペッパーを挽いています。
【3】細かくカットしたチーズを少しずつ加えながら、しっかりと混ぜていきます。チーズの量を増やす度に、お餅のように伸びてきます。お好みでパセリやハーブを混ぜ込んでアレンジしても美味しいですよ。
【4】お更に盛り付けて召し上がれ。
いかがでしょうか?
シンプルな一品ですが、ちょっとあると嬉しいご自宅で簡単フレンチメニュー、いかがでしょうか?
レシピの中には片栗粉を使うレシピも多数あるようです。
片栗粉を使うと失敗が少なく伸びの良いアリゴを作ることができるのですが、本場のアリゴに片栗粉は入っていないことを付け加えておきたいと思います。
関連リンク:
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