先日、注文していた“新じゃが”がたっぷりと届きました。
キッチンで箱を開けると、ほのかに残る土のにおいが優しく広がりました。
手に取ると薄い皮越しに感じられるみずみずしさは、正しく新じゃが。
きれいに洗ってお行儀よく袋詰めされたお野菜も美味しくて、
調理も楽でありがたいのですが、
時々こうして、気まぐれではあるのだけれど、土にまみれたお野菜を手に取りたくなるのです。
箱の中の新じゃがを手にとっては眺め、眺めては戻し。
そのようなことを繰り返しながら、どう調理していただこうかとワクワクしていると、
ピコーンと音無き閃きが頭の中に飛び出しました。
それは、日本でも人気が定着しつつある「ハッセルバックポテト」。
私が初めてこの料理を知ったのは、フランス人恩師に作ってもらった時だったように思います。
今でこそハッセルバックポテトと呼んでいるけれど、
私、アコーディオンポテトと教えられたものだから日本で話題になり始めた時、
ハッセルバックポテトとはなんぞや?と首を傾げておりました。
そして、画像などを見て、「なーんだ、アコーディオンポテトか」と思ったのと同時に、
随分と長い年月、正式名称を知らぬまま過ごしていたことに漸く気が付いたのです。
どのようなものかと言いますと、このようなジャガイモ料理です。
画像からも、どのようなお料理なのかは察しがつくかとは思うのですが、
簡単に説明しますと、ジャガイモを切り離さずに薄くスライスしたものを
オリーブオイルやバター、岩塩やハーブ、チーズなどで味付けし
オーブンで焼くだけのお料理です。
完全に切り離さずにスライスされたジャガイモは、
オーブンの中で焼かれながら、その姿をアコーディオンのように変えていきます。
このお料理は、もともとはスウェーデンのお料理なのですが、
簡単な上に、様々な味付けを楽しむことができることもあり、
本場では様々なメニューの付け合わせとして登場するのだそう。
私はスライスしたニンニクと薄切りにしたチーズをジャガイモの間に挟み、
アンデスの紅塩とハーブを散らした上から
オリーブオイルを回しかけて焼き上げるスタイルが好みです。
その時々の気分でベーコンや人参、
自家製フレーバーバターなども添えて一緒に焼き上げます。
ハッセルバックポテトという名前は、スウェーデンのストックホルムにある
“Hasselbacken Hotel and Restaurant”というホテル名が由来とのこと。
自分が長年、そう思ってきたからというわけではないのですが、
ワタクシ、ほんの少しだけ、
アコーディオンポテトでもいいのではないかしら?とひっそりと思っております。
ハッセルバックポテトで広がっている所をみますと、
アコーディオンポテトでは少し格好がつかないということでしょうか……。
このようなことも思いながら、その日はハッセルバックポテトを作り、
美味しく新じゃがをいただきました。
簡単な上に見栄えも良いですし、
味付けを失敗することもなく、冷蔵庫にあるものも一緒に美味しくいただけるメニューです。
通常レシピから時短レシピまで数多く公開されていますので、
気になれた方は、美味しい新じゃがで自分好みのハッセルバックポテトを楽しまれてみては、いかがでしょうか?
関連記事: