冷房が無いと生きていけないわ……。
そのようなことを思いながら過ごしていた夏も過ぎ、
夏の残り香を含んだ秋風が心地よい朝。
起き抜けに常温のお水をぐびぐびっと喉奥へ流し込む。
全身の細胞がお水を吸い上げているかのような感覚もまた心地よい。
野菜室を開けると隅っこの方にレモンが転がっていた。
何に使おうとしたのだろう。
しばらく放置されていたレモンは抗議のシワを寄せていた。
それならばと、まな板の上で包丁を入れたあと豪快に果汁をピッチャーに絞り出す。
残り半分はスライスし、中途半端に残っていたキュウリもピーラーでスライスして投入。
お水をなみなみと注いでレモンウォーターを作る。
普段はお手軽なボトル入りのレモン果汁ばかり使っているけれど、
たまにフレッシュなレモンを使うと少しだけ体にイイことをしたような気分になる。
たったこれだけの気まぐれも、
私の日常にとっては小さなスパイスとなり、エネルギーに変わり、
何となく気持ちが軽やかになるような気がしている。
少しだけ体にいいことをした(ような気分の)日の朝は、
朝食作りにも精が出るのかと思いきや、
冷凍庫に忍ばせてあった、おやつの大学芋を取り出す私がいた。
ひとくちサイズよりも小さいサイコロ状にカットされているお手軽なそれを、
お気に入りの器に入れて自然解凍する。
私には365日ビシッとキメて全力疾走することは出来ない。
ならば、こんな風に自分を甘やかす日があってもいいじゃないかと、
目一杯、自分を肯定して朝のちょっとした時間を楽しむのだ。
程よく解凍された甘い大学芋を食べながら、
どうして『大学芋』なんて名前なのだろうかと思ったのですが皆さんはご存知でしょうか?
調べてみると2つほど有力な説がありました。
一つめは、大学芋は東京の神田辺りで生まれたもののようなのですが、
キャンパスを神田辺りに構えている大学が多かったため、
大学生の間で話題となり『大学芋』という名前がつけられたという説。
もう一つは、不況により学費や生活費に困った大学生が、
お金を稼ぐ為にサツマイモを揚げて甘い蜜を絡めて売ったのが始まりで、
『大学芋』と名付けられたという説。
ただ、東京大学の赤門の前に三河屋というふかしいも屋があったそうで、
こちらの説に関しては異論も聞かれるようです。
1週間程前であれば、
まだ甘ったるく感じていただろう大学芋を味わいつつ感じる秋。
皆さんは、どのような秋を見つけましたか?感じましたか?
まだまだ小さい秋ですが、秋を探してみてはいかがでしょうか?