そろそろ、中秋の名月がやってきます。
皆さんのご自宅ではお月見を楽しまれますでしょうか?
年々、日本古来から受け継がれてきた季節折々の行事が、海外にある伝統行事の華やかさに押され、隅に追いやられつつあるような気がして少々残念に感じております。
海外の華やかさも楽しみつつ、日本の雅な華やかさも味わってみませんか?
この時期のお月見は1回見ただけでは縁起が悪いと言われていることをご存知ですか?
そのようなお話しも交えながら、お月見をご紹介します。
今年のお月見の下調べに覗いてみてくださいませ。
まず、お月見といえば十五夜という印象が強いのですが、他にも十三夜、十日夜と呼ばれるお月見があり、十三夜は十五夜の次に美しい月が見られるということで、昔から十五夜同様に大切にされたお月見の日でした。
十五夜が中秋の名月と呼ばれているのに対して、十三夜は栗をお供えすることから「栗名月」とも呼ばれています。
先人たちは、お月見と言えば、まずは十五夜と十三夜をセットにし、片方のお月見しかしないことを片見月と言って縁起が悪いとしておりました。
どうして縁起にまで話が及ぶのかといいますと、このような背景があります。
お月見が始まったのは平安時代の頃だったと言われているのですが、平安時代と言えば、陰陽師でお馴染みの安倍晴明が居た時代。
彼もまた、大好きなお酒と共にお月見を楽しんでいたのだとか。
その頃から在るお月見ですが、江戸時代に入ると人々はお月様が満ちていく姿を農作物の成長と重ね合わせ、とても縁起が良いことだと考えるようになりました。
このような考えのもと、十五夜は、お月様の美しい姿を愛でるだけではなく、秋の収穫を喜び感謝する行事として受け継がれております。
そして、十五夜、十三夜に十日夜も入れた3回のお月見の日全てが晴れると、幸運が訪れると言い、お月様の表情と夜空を楽しんできたのです。
お月様の表情と言えば、皆さん、お月見の日は必ず満月だと思っている方、いらっしゃいませんか?
毎年満月であるとは限らないですし、十五夜、十三夜の日付も毎年変わります。
これは、お月見の日は旧暦で決められているため、それを私たちが利用している新暦に当てはめるとズレが生じることと、新月から月が膨らみ満月へと姿を変えるまでに14日~16日かかることが理由です。
さて、最後にお月見アイテムも覗いておきましょうか。
お月見と言えばススキですが、このススキにも意味があります。
月の神様は豊作や各家庭の繁栄を見守ってくださると言われており、月の神様を自宅へお招きする目印として、また、お招きした月の神様が宿る依代としてススキを飾ります。
また、無病息災や翌年の豊作を願う意味と、ススキの姿が稲穂に似ていることから収穫を喜び感謝する意味が込められています。
そして、十五夜に食べるものと言えばお月見団子ですが、収穫を感謝し、翌年の豊作を願う意味がありますので、お米を使って作ったお団子をお月様に見立てて、お供えするようになったようです。
また、秋と言えば里芋も収穫されます。
こちらもお月様に似ていたからでしょうね、十五夜には里芋をお供えする風習もあります。
我が家ははススキと一緒にお月様に見立てた黄色いピンポンマムを飾り、お月見の夜はデザートにお団子をいただきます。
私の場合、手抜きでお団子は作らずに買ってくるのですけれどもね。
自分に無理の無い範囲で楽しんでおります。
今の時代、何でも当たり前のように手に入りますが、お米も育ててくださる方々がいてこそ味わうことができています。
そのような視点でお月見を見てみると、農作物を作っていなくても翌年の豊作は願いですし、収穫できること(食材を手にすることができること)や、代わりに育ててくださっている方々にも、感謝ですね。
そして、古の時代とは違うけれど日々の暮らしの中で、様々なモノゴトを収穫している私たち。
収穫できる日々に感謝してみても良いのかもしれません。
もちろん美しいお月様と美味しいお団子を楽しみながら。
ちなみに、今年(2016年)のお月見の日は、十五夜は9月15日、十三夜は10月13日、十日夜は11月9日です。
十五夜と15日がリンクするのはとても珍しいことです。
夏の暑さもほんの少し和らぎ、夜空も澄んで晴れ渡る日が増える時期ですので、お仕事帰りに、夕食後に、夕食後に、眠る前に、ちらりとお月様を探してみてはいかがでしょうか。
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