幸せのレシピ集

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世界最古の国歌は、どこの国歌かしら?その過激な内容とは?

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テレビでスポーツ観戦をしていると国歌を耳にすることがありますが、

皆さんは国歌にどのような印象をお持ちでしょうか。

ある日、私とイギリス人の方、フランス人の方の3人でお話をする機会がありました。

共通語は英語だったのですがイギリス人の方は日本語もフランス語も流暢だったため、

時々、日本語とフランス語の通訳などもしていただきながらのお茶会でした。

このような時、異国事情というものは話のネタに困らない為、

自然と国ごとにある認識の違いが話題に上っていたように思います。

その時は、フランスの国歌事情に触れることとなったのです。

お茶をしながら国歌話か……と驚いたのですが

興味深いお話でもあったので、今回はその時のことを少し。と思っております。

お時間がありましたら、ほんのひと時、お付き合い下さいませ。

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国歌の在り方や思い、扱い方は、国の歴史や生きている時代によっても様々ですが、

フランス人の知人はこう尋ねてきたのです。

「フランス国歌の歌詞は過激だから改訂した方がいいという話があるのだけれど、

あなたたちの国でも、国家の歌詞を変えようっていう話はある?」と。

 

私は日本で暮らしているとき、

国歌は在るべきかたちで既に在るものだと思っていたのかもしれません。

私には、歌詞を変えるべきか否かなどという発想は全くありませんでした。

だけれども、国が変われば自国の国歌の歌詞について

このような視点を持つ人たちがいるのかと、その視点の切り口に驚かされたのです。

 

フランスと言えば、華やかさ、自然体、おしゃれな街並みなど、

素敵なイメージが次々に浮かんできます。

しかし、フランス国歌は国の歴史が色濃く表されており、

歌詞に目を通すと、恐怖にも似た感情が湧いてくるのです。

 

国歌は12番まであるそうですが、1番の日本語訳をご紹介します。

『祖国の子どもたちよ、栄光の日がやってきた。

我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた

血塗られた軍旗がかかげられた

どう猛な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?

子どもや妻たちの首をかっ切るために、やつらは我々の元へやってきているのだ。

武器をとれ、市民たちよ、自らの軍を組織せよ前進しよう、前進しよう。

我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために。』

 

いかがでしょうか。

私はスポーツ観戦時などにフランス国歌を耳にしても

クラシックなメロディーを耳で追うだけだったのですが、

この歌詞を知ってからは、この時の会話を頭の片隅で思い出すようになりました。

ただ、この歌詞は国歌として作られたものではなく、もとは軍歌だったそうなのです。

世界最古の国歌と言われているフランス国歌の元は軍歌。

このような背景を知れば過激な内容にも改訂の声にも頷けます。

一方で、国歌としての歴史には様々な事柄が含まれていることでしょうから、

世界最古の国歌を簡単になくすことも難しいのだろうという察しもつくのではないでしょうか。

私はこのような話に触れるとき、

時代は目まぐるしく移り変わっているようにみえるけれども、

私たちは気付かぬところで様々な時代に縛られているのかもしれないと思うのです。

そして、「今を生きる」という言葉の難しさのようなものも、

ぼんやりと感じたり致します。

 

スポーツ観戦などの時にフランス国歌を耳にする機会がありましたら、

世界最古の国歌に触れつつ、

今回のお話をほんの少し思い出してくださいませ。

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