近年、年齢を問わず広い意味での健康を気遣う方が増えてきており、
健やかな毎日を重ねるための知識やアイテム、メソッドが巷には溢れております。
知識やアイテム、メソッドも、もちろん有効ではありますが、
今回は少し視点を変えまして、
日々の感情と健康との繋がりのお話を少し、と思っております。
「心と体は密接に繋がっている」
このような言葉を皆さんも一度は見聞きされたことがあるのではないでしょうか。
このことを表す例として恋愛と動脈硬化の関係を挙げられることがあります。
とてもザックリとした表現ではありますが、
良い恋愛は心臓にも好影響を与えるけれど、
悪い恋愛は心臓に負担をかけ病を引き起こす可能性がある、というものです。
そして、これは結婚してしまえば関係がなくなるということではありません。
5、6年以上前のことだったと思うのですが、
アメリカ心身医学会で『動脈硬化と恋愛の関係』について、
このようなことが発表されたことがあるのです。
これは、150名ほどの夫婦を対象にして行われた調査です。
その調査内容というのは、各夫婦にお金のこと、子どものこと、
休暇のこと、お互いの家族や親戚のこと、家事に関することなどの中から
ひとつの事柄を選択してもらい6分間、話し合ってもらうというもの。
そして、その様子は全てビデオカメラで撮影しておきます。
話し合い終了後は、話し合いを行った夫婦はそれぞれCTスキャンなどで胸の様子を調べ
動脈硬化の症状が現れていないか、調査を行います。
同時に、話し合い時に撮影していた映像も確認し、
それぞれの発言が、親しみのある自然なもの、友好的なものであったかどうか、
それとも攻撃的なものであったのか、
押さえつけるようなものでなかったかどうか、
一見従順そうに見えるけれど攻撃的なものになっていなかったかどうか、
と細かく分類していきます。
このような調査を行った結果、発言が攻撃的な人ほど動脈硬化が起きやすく、
さらに攻撃的な者同士が一緒に暮らすことでもっと悪化することがわかったといいます。
なかでも支配的で押さえつけるような物言いのタイプは、
もっとも動脈硬化が起きやすいのだとか。
喧嘩するほど仲が良いとも言いますが、
夫婦の数だけ、関係の数だけ、夫婦の在り方も関係の在り方も存在します。
また、自分にとっては何ともない言葉選びであったとしても、
相手にとっては胸の奥に突き刺さるような言葉や伝え方であったりすることもあるものです。
身近にいる相手だからこそ、親しき中にも礼儀ありです。
自分の発言や伝え方を振り返ってみたり、
相手の発言によって自分の感情が本当はどのように変化しているのか観察してみることも、
時には必要なことなのかもしれません。
夫婦に限らず、恋人同士、親子、友達、仲間、大切な相手だからこそ、
「きっと相手はこう思っているのだろう。」、
「いつものことだから、これくらい言っても大丈夫だろう。」と決めつけるのではなく
大切に日々の気持ちを重ねあって心身ともに健やかに過ごしたいものですね。
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