出かけついでに立ち寄るスーパーがあるのだけれど、そのには生産者の顔が見える野菜コーナーがある。
形は少々不格好だけれども、無農薬だったり、朝採れのものだったり、
旬をより強く感じられる野菜が多いため、つい覗いてしまうのだ。
その日、私の目に強く映り込んできたのは今が旬のそら豆。
「そら豆三日」という言葉があるように、そら豆の美味しさは鮮度あってこそ。
できるだけ収穫したばかりのものを新鮮なうちに食べたいところだ。
「朝採れです」と手書きのメッセージシールに惹かれ、立派なそら豆を持ち帰ることにした。
そら豆と言えば、美味しいメニューが色々とあるけれど、
私が真っ先に思い浮かべるのはメニューではなく、子どもの頃に触れたそら豆の物語だ。
大人になってからもう一度、その物語に触れてみたのだけれど、
そのシュールな世界観に今度は大笑いしてしまった。
ご存知の方も多いかと思うのだけれども、
その物語は「まんが日本昔ばなし」に収録されている。
タイトルは忘れてしまったけれど、登場人物は、そら豆と藁と炭のキャラクター。
そら豆には、お歯黒と呼ばれる黒い筋の部分があるけれど、
あの黒い筋がどのようにしてできたのか、という物語だ。
せっかくなので、大まかなあらすじをご紹介しますと……。
幾つかの偶然が重なって出会った「そら豆」と「藁」と「炭」の3人は、
お伊勢さんへお詣りにいくことにしたのです。
このお伊勢詣りは3人にとって長旅になるわけなのだけれど、
この3人は、とにかく口が悪くて仲も悪い問題児。
そんな3人が悪態を吐き合いつつもアクシデントを乗り越えて、
お伊勢さんへ向かっていると、橋がかかっていない川に出たのです。
考えた3人は、3人の中で一番背が高い「藁」が橋になり、
その上を、まずは「炭」が渡ることにします。
だけれども、恐怖から体を発火させてしてしまった「炭」の火が「藁」に燃え移り、
2人は川へ落ちて死んでしまいます。
その一部始終を見ていた「そら豆」、どうしたと思います?
あろうことか、2人のことを大笑いするのです。
あまりにも大笑いしすぎたせいなのか、
「そら豆」の頭の皮がパックリと弾けるようにして破れました。
さすがに痛かったのか、困ったのか、「そら豆」は大泣きします。
そこを通りかかった村娘が
持っていた針と黒い糸で「そら豆」の頭の皮を縫い合わせてくれました。
その縫ってもらった跡がお歯黒と呼ばれる黒い筋として残っているというお話です。
機会がありましたら、映像や絵本などでご覧になってみてくださいませ。
きっと、そら豆のお歯黒を目にするたびに彼らのことを思い出すことでしょう。
そして、そら豆を召し上がる機会がありましたら、
今回の「そら豆」の頭パックリのお話をチラリと思い出していただけましたら幸いです。
今日も皆さんに良き風が吹きますように☆彡
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