日本は八百万の神様という観念をもったお国柄だからなのでしょうか。
様々な国の文化や言葉を自然に受け入れ、自国のもののように扱っているふしがあります。
先日、そのような類の資料に目を通しておりましたところ、
過去の恥ずかしい記憶を、じわーっと思い出してしまったのです。
その恥ずかしい記憶といいますのは、
わたくし、「ジャンルとカテゴリーは英語でしょ」といい大人になるまで思い込んでおりました。
言葉を紡ぐことを生業にしておりますが、
このようなカタカナ表記を見て英語だと思い込んでしまっていることが多々あることから、
わたくしは、恥ずかしさを紛らわす意味も込めて、この現象を密かにカタカナマジックと呼んでおります。
せっかく思い出してしまった記憶ですので、この機会に恥ずかしさを昇華させるべく、
今回は、「ジャンルとカテゴリーの使い分け」というお話を少し、と思っております。
お時間ありましたら、お好きなお飲み物片手に、お付き合いくださいませ。
似たような意味合いで使用されることがあるため、
何となく使い分けていたり、何となく理解しているという状況の方も
意外といらっしゃるのではないでしょうか。
まずは、カテゴリーから。
こちらは、ギリシャ語のカテゴリアが語源。
日本人は知らぬ間にギリシャ語を使っていたりするのですが、「カテゴリー」もそのひとつです。
そして、日本人はカテゴリーという発音で馴染んでいるので
敢えてカテゴリーと表記される場合が多いのですが、正しくは「カテゴリ」です
そして、この「カテゴリー/カテゴリ」の使い所ですが、物事の性質を分ける際に使います。
この表現ですと、ピンとこないですね。
もう少し噛み砕きますと、誰でも分かるような区分をする際に使います。
例えば、犬。
チワワ、ウェルシュテリア、シベリアン・ハスキー、柴犬、ダックスフント、など犬種は様々ですよね。
犬種は様々だけれども誰が見ても「犬」であって、「猫」ではないですよね。
この「犬」という区分が「カテゴリー/カテゴリ」です。
もうひとつ、車種は様々あるけれども誰が見ても「車」であって、「船」ではない場合、
この「車」という区分は「カテゴリー」として扱われます。
使い所を迷われた際には誰が見ても分かるような区分けをする際には
「カテゴリー/カテゴリ」を使用してくださいませ。
それでは、もうひとつの「ジャンル」という言葉。
こちらは、フランス語が語源になっておりまして、芸術などを細かく分類する際に使われる言葉です。
例えば、絵画とひと口に申しましても、
人物画、風景画、日本画など様々な分類の仕方がありますよね。
中には人物画という分類もできますし、人物画かつ日本画という重複した状態で分類できるものもあります。
他にも小説などを読んだ際に、
一見、戦国時代の歴史小説のようにも見えるけれど、
仮想した戦国時代を描いておりファンタジー小説に分類することもできるのでは?
という作品もあります。
人それぞれ異なる印象を抱くことも可能性としてある、
というような場合の分類をする際には「ジャンル」という言葉を使います。
「カテゴリー/カテゴリ」は誰が見ても言い切ることができる答えがあるけれど、
「ジャンル」は曖昧な分類が許されると言えば分かりやすいでしょうか。
似たような印象を持った区分に関する言葉ですが、
このようにして覗いてみると、使い所を迷う、ということも減るのではないでしょうか。
それにしても日本人は、英語が必須科目として組み込まれているにも関わらず
話せない人が多いと言われることが多いのですが、
意外と様々な言葉を日々扱っているじゃない、そのようなことを思う柊希であります。
本日も、ここへ足を運んでくださった皆様が、
笑顔いっぱいの1日を過ごされていますように☆彡