暑さのせいにしてはいけないとは思うのだけれども、
今週は暑い日が続いていたから、ということにしておこう。
普段は特段反応しないはずの言葉を何度も拾ってしまった。
お会計待ちをしていたのだけれども、
お財布を覗くと一万円札しか入っていなかった。
私は、申し訳ないと思いつつ1万円札を差し出した。
このようなシチュエーションが何度か起こり、
その度に、「一万円入ります」というフレーズを耳にした。
様々なことを想定した上で行われている確認作業の一つだという事は、重々承知している。
だけれども、何度目かのシチュエーションの際に耳にしたそれが、
あまりにも無駄にメロディアスな「一、万円♪入り、まーす♪」といったものだったから
それからの数日間、無駄にメロディアスな「一万円入ります」が脳内に居座り、
私は、何となく、その確認作業に使われているフレーズの由来を辿ってみたくなってしまったのだ。
結果としては、
誰が、どこの企業が使い始めたものなのかは突き止められなかったのだけれども、
やはり、誰もが推測できるとおり、
お店側がおつりを間違えてしまわないための確認として、
お客さん側がおつりを勘違いをしたり、誤魔化したりしないようにするための確認として、
店員が不正をできないようにするための確認として使われ始めたフレーズのようだった。
ただ、誰もが推測できる理由に紛れて、
このような見方をする方もいらっしゃるようだった。
現在のお札に使われている肖像画は全て異なる人物が起用されているけれど、
ある時期のお札に使われていた肖像画は全て聖徳太子だったことがあるのだとか。
5000円札も10000円札も同じ聖徳太子であれば、
おつりの間違いや誤魔化しといった不正行為が
現在よりも起こりやすい環境だったかもしれない、ということは容易に想像できる。
このようなお金のやり取りに関するトラブルを防ぐことをきっかけに登場したフレーズが、
この「一万円入ります」というものだ、という見方だ。
なんだろう、このワクワク感のある視点は。
私個人は、もう、これが正解でいいのではないだろうかと思いたいのだけれども、
飲食チェーン店で使われ始めたフレーズだという見解があるため、
全てのお札に聖徳太子が起用されていた時代と、
飲食チェーン店が増え始めた時代との関係を掴まなくては言い切れないのではないかしら、
という答えに着地した。
私の力が及ばず、答えに辿りつけなかっただけなのかもしれないのだけれども、
何気なく耳にするフレーズにも歴史あり、といったところなのだろう。
「一万円入ります」このフレーズを耳にされた際には、
このフレーズにも歴史あり、真実やいかに!?
そのようなことを思っていただけましたら幸いです。