最近、5円玉に関する記事をよく目にします。
どのような内容なのかと言いますと、
現在日本で使用されている貨幣で“アラビア数字を使用していないものは5円玉だけ”。
そして、漢数字の知識がない外国人観光客にとって5円玉は、
“見ただけでは、どれ程の価値があるのか分からない硬貨”だということです。
以前、幸せのレシピ集内で
日本の100円硬貨を売って欲しいと言われた時のことに触れたことがあるのですが、
日本のお金は海外で密かに人気なのだと感じることが度々あります。
100円硬貨を売って欲しいと言った方は日本の桜に魅せられていたことが理由でしたが、
他にも5円硬貨、50円硬貨を売って欲しいと言われたことがあります。
私たちにとっては、5円硬貨も50円硬貨も見慣れたものですが、
外国の方にとって穴が開いている硬貨は非常に珍しいもの。
これだけでもコレクションに加えたり、お土産にしたいと感じる理由になると聞きます。
そこに加えて、今回話題に上っている5円硬貨には
アラビア数字が使われていないため、より異国情緒が感じられる硬貨なのだとか。
5円硬貨に穴が開いているのは戦後の急激なインフレのため
貨幣の材料を節約する必要があったことが理由だと言われています。
それが今では穴が開いている硬貨は見通しが良いと好まれたり、
五円はご縁に繋がると言い、縁起物として扱われたりしています。
このようなお話を外国の方にしますと非常に喜んでいただけます。
ただ、ある時、この5円硬貨の絵柄の意味は何かしら?と尋ねられたことがありました。
当時の私には、そこまでの知識が無かったため即答することが出来ず
改めて調べることになったのですが、想像していた以上の想いを知ることとなりました。
現在私たちが使用している5円硬貨は、戦後間もない時期にできたものでした。
5円硬貨にデザインされている稲穂は農業を表し、
穴の周りにあるギザギザは歯車、日本の工業を表し、
五円という文字の後ろにある細かな線は水面、日本の漁業表しているのだとか。
更に硬貨を裏返しますと両サイドに可愛らしい双葉が配置してあります。
これは日本の成長を願う気持ちが託されているのだそう。
5円硬貨には戦後の日本の復興と、そこから先へと続く成長が刻まれていました。
5円硬貨にだけアラビア数字が無いという視点から、
オリンピックまでにアラビア数字の入った5円硬貨にした方がよいのでは?
という声も見聞きします。
貨幣デザインを変更するということは、様々なシステムを整えなくてはいけなくなるため、
そう簡単に変更することは出来ないかと思うのですが、
私自身は、5円硬貨、これはこれで何だか良い味を出している気がして、
このままでも良いのではないかしら?と思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。
5円硬貨を眺めながら、
デザインに込められた想いや願いは、どれほど叶ったのだろうか。
そのようなことを思う今日この頃です。
関連リンク:五円硬貨 - Wikipedia
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