何か気分が上がる入浴剤はないかしら、とバラエティーショップを覗いた。
入浴剤が並べられている棚をひと通り見渡し、
ペパーミントや薄荷(はっか)を使った商品が多い事に気が付いた。
少し前までは、ペパーミントや薄荷(はっか)の類のバスアメニティーは男性のもの、という印象があった。
それが今では、女性も楽しめるような、少しマイルドな香りにアレンジされ、
ボディーソープや入浴剤、シャンプーやコンディショナー、ボディーローションなど
様々な商品にペパーミントや薄荷(はっか)が使われているように思う。
年々厳しくなる夏の暑さも清涼感を求める女性の背中を押しているのかもしれない。
古来日本では、薄荷(はっか)の葉を目のそばまで近づけて眠気覚ましにしたり、
葉を揉んだもので瞼を撫でて目の疲れを癒していたこともあり、
薄荷(はっか)には目覚め草、目薬、目張り草といった別名もある。
私の脳は、このような記述を目にするたびに古の様子を想像してしまうのだけれども、
決まって罰ゲームのような光景しか想像することができないのは、ここだけの話。
いつの時代にも、「今、眠るわけにはいかない」という状況があるのかもしれない。
この、先人たちもお世話になっていた薄荷(はっか)は、
ペパーミントと同じものだと思われることがあるのだけれど、本来は別もの。
そして、薄荷(はっか)やミントの特徴のひとつである
スーッとするあの清涼感のもとになっているメントールという成分は、
ペパーミントよりも薄荷(はっか)に多く含まれているという。
ヒンヤリと感じるペパーミントや薄荷(はっか)の入浴剤は、
冷房で体の芯が冷えてしまっている女性からは、
湯上りに体の熱を奪われてしまうようで何となく避られてしまうけれど、
「涼しくなりたいけれど体は温めたい」という、ワガママな女性にピッタリなのだ。
と言いうのも、薄荷(はっか)にたっぷりと含まれているメントールは、
肌の表面に触れると、あの清涼感が汗を抑え、さっぱりとした気分にさせてくれる。
一方で、体内に取り込まれたメントールは、
末梢血管を広げて血の巡りを良くして体を温め、
その温まった体を保温する働きがあると言われている。
暑くてさっぱりしたいけれど冷房で体が冷えている方、
冷え性ではないけれど昼間に冷房で体を冷やし過ぎてしまった気がしている方、
清涼感を感じつつも血の巡りを良くしてボディーラインを整えたい方などは、
薄荷(はっか)やペパーミント系の入浴剤で、
涼をとりつつ体を温める、夏の欲張り温活などいかがでしょうか。