昼間に蓄えすぎてしまった熱が思うように放出できないのは、
都会のアスファルトだけではないようですね。
お風呂上りにクーラーの正面に立ち、
「さ、私を冷やして」と言わんばかりの眼差しをクーラーに向けておりました。
そのような私を見て力が入ったのか、放出できていない熱を察知したのか、
明らかに「ギアを入れ直しました」というような素振りを見せた我が家のクーラー。
迷うことなくワタクシ目がけて冷気をぐんぐんと送ってくれておりました。
いや、いくら熱を放出しきれず辛いからと言って調子に乗ってはいけませんね。
1時間後には、何だか風邪のような症状が表れ始めました。
あぁ……やってしまった。
風邪の初期症状に効くお薬もあるけれどお薬は飲みたくない。
かと言って、この日は生姜湯という気分でもない。
さぁ、どうしよう。
体をブルッと震わせながら冷蔵庫を覗いたのです。
運よく我が家の冷蔵庫には天然の白虎湯と言われるスイカがあり、
スイカを食べることにしました。
白虎湯というのは風邪に効く漢方薬のことなのですが、
スイカは生薬としての顔も持っており、天然の白虎湯と言われているのです。
そのような効能がある食材ということではなく、
生薬としても扱われており、その時には「西瓜」と書いて「せいか」と呼ばれる果実なのです。
「西瓜(せいか)」は、皆さんもご存知の通り、水分が豊富で体を冷やす性質を持っています。
他にも暑気あたりを緩和し、熱を冷まし、喉や体を潤わせ、
余分なものを体の外へ排出する利尿作用があり、浮腫みとりや二日酔いにも効きます。
体を冷やす食べ物ですので、食べ過ぎは良くないのですが、
暑さで体がだるい、重い、辛いと感じるときや、風邪の症状が出ているときなどは、
スイカのチカラを美味しく借りると良いのです。
そして、口にする方が少ないスイカの白い部分。
この部分には血の巡りを良くするシトルリンという成分が含まれておりますので、
赤い部分だけでなく、この白い部分も食べることで
「過剰に溜め込んでいる熱は放出するけれど、体を温めることも忘れない」
という状況にすることが出来ます。
この時季は、西瓜のお漬物なども登場しますが、
正に、この暑さを上手に美味しく乗り切る知恵のひとつです。
シトルリンは美容サプリメントなどでも見かけますが、
食材ではウリ科に含まれていることが多く、特にスイカには豊富に含まれているようです。
調子に乗ってクーラーの冷気を浴びすぎた私は、
冷蔵庫の中にあったスイカを摘まんで、無事に体調の帳尻を合わせることができました。
スイカを召し上がる機会がありましたら、
今回のお話をちらりと思い出しつつ白いところも、楽しんでみていただけましたら幸いです。
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